前代未聞の珍事が発生! 時間稼ぎに激高したボールボーイがローマDFのノド元に剛速球をお見舞い!

2021年04月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

選手本人は「いや、まあ俺でもイラついただろうから」

ボールボーイから思わぬ反撃に遭ったカラフィオーリ(右)。試合後は少年の行動に理解を示した。(C)Getty Images

 ヨーロッパリーグの舞台で、なんとも珍しいハプニングが起こった。

 現地木曜日、オランダのアムステルダムで開催されたEL準々決勝・第1レグ、アヤックス(オランダ)vsローマ(イタリア)の一戦だ。試合はアウェーのローマが2-1でリードしたまま、アディショナルタイムに突入。ローマは逃げ切りを図ってあからさまな時間稼ぎを敢行し、緊迫したムードが漂っていた。
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 まさにそのときだ。ボールがタッチラインを割り、ローマのスローインに変わる。ホームチームのボールボーイは急いでプレーを再開させようと、すぐさま手持ちのボールをローマDFリッカルド・カラフィオーリに渡したが、なんと19歳の若武者はそれを捨てて、少し離れたところに転がっているボールの元へと歩を進めた。すでにアディショナルタイムは4分。明らかな遅延行為だ。

 これに激怒したのが、件のボールボーイだ。近くにあったボールをすかさず拾うと、近づいてくるカラフィオーリめがけて、強烈な剛速球をお見舞いしたのである。

 まったく予期していなかったイタリア人DFのノド元にボールが炸裂。苦しそうに前かがみになるも即座に持ち直し、文句を言いながら少年に詰め寄った。

 ここで駆け付けたのが主審だ。ふたりの間に入って事態を収束させたわけだが、言うなれば"手"を出していないカラフィオーリにイエローカードを提示。遅延行為を認めたのである。試合はそのまま2-1で終わり、ローマが見事先勝を飾ったものの、若き守備者にとっては踏んだり蹴ったりの幕切れとなった。

 それでも、試合後のカラフィオーリは反省を口にするなど、真摯な対応を見せた。衛星放送局『SKY SPORT ITALIA』のインタビューに応え、「あの瞬間はいろいろ考えたけど……幸いにも冷静でいられた」と回顧。そのうえで、「もし敵があんな風に時間稼ぎをしていたら、まあ俺もきっとイラついただろうからね。彼(ボールボーイ)の行為は褒められたものじゃないけど、理解はできるよ」と苦笑交じりに話した。

 勝利とアウェーゴールのアドバンテージを掴んだローマ。かたやアヤックスは、ある意味で闘争心を示したボールボーイの想いも乗せて、敵地での逆転突破に賭ける。注目の第2レグは現地4月15日、オリンピコにて行なわれる予定だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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