ストップ・ザ・新潟。昇格組の相模原に策はあるのか。三浦監督は「イライラさせたい」

2021年04月02日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「地味な作業の連続だと思います」(稲本)

次節は首位新潟をホームに迎える相模原。苦戦は必至も、勝てば大きな自信になる。三浦監督は「すごく楽しみ」と胸をふくらませる。写真:田中研治

 厳しい戦いになることは間違いない。J2リーグ第6節、17位のSC相模原がホームに迎えるのは、無傷の開幕5連勝で首位に立つアルビレックス新潟。相模原の三浦文丈監督は「一番パワーのあるチーム。得点力があるし、勢いに乗っている」と警戒を強める。

 新潟は前節の東京ヴェルディ戦で7-0の圧勝。5節終了時の総得点17は断トツの数字で、DFの梅井大輝は「すごく得点力がある。ポゼッションが上手くて、攻撃に人数をかけてくる」とその印象を語る。

 焦点は、試合の入り方。序盤でいかに失点しないか。

「(新潟は)直近の3試合は10分台にゴールをぶち込んでいるし、(2節の)長崎戦を除いて、前半に先制点を取っている。そうすると勢いが出るから、守備的かもしれないけど、まずは前半は0-0ぐらいの気持ちで、隙を与えないようにしながら」(三浦監督)

 ボランチの稲本潤一も「絶対に勢いよく前から来ると思います」とイメージ。「攻撃に自信を持って、前から激しいプレッシャーをかけて、ボールを取ったら早く攻めてくる」と分析している。

 相手の特長を考えれば、守勢に回るシチュエーションが増えそうだ。

「そこでどれだけ頑張ってラインを押し上げられるか、球際で負けないか。その地味な作業の連続だと思います」(稲本)

 たしかに新潟は5試合中、4試合で前半に先制してそのままの勢いで白星を重ねてきているが、一方で相模原は4節の大宮アルディージャ戦を除く4試合で、前半は無失点でしのいでいる。その実績はチームにとって少なからず自信になっているはずだ。

 まずは前半から相手に勢いを出させない。スコアレスで後半に持ち込めれば、勝点奪取の確率は高まる。

「しっかりオーガナイズして、攻めあぐねさせて、"なんか上手くいかない"という雰囲気を漂わせたら、勝機があるんじゃないか。リスクをかけたり、無理をして縦に突っ込んできたりすれば、自分たちのペースになるだろうし。イライラさせたい」(三浦監督)

 指揮官の考えを梅井も共有している。

「相手もやっぱり、ずっと攻めていて点が取れないとなると、慌てたり、苛立ってきたりすると思うので、そこの隙を突いていきたい。まずはしっかり後ろはゼロで抑えられるように、みんなでコミュニケーションをとって戦っていきたい」
 
 粘り強く守りながら、ワンチャンスをモノにする。課題の攻撃面にも改善の兆しが見えてきている。稲本が「前に行く回数とか、前線のコンビネーションとかは多少、出せるようになってきた」とチームの成長に言及すれば、三浦監督も「決定的なチャンスは明らかに増えてきている」と手応えを口にする。

 首位の新潟はJ1経験もあるクラブ。間違いなく強敵だ。だからこそ、真価が問われる一戦となり、飛躍のきっかけを掴める機会にもなる。三浦監督は言う。「力のある首位のチームだから、自分たちの本当の立ち位置とか、力を図れる」と。「相手の勢いを止めたら、うちはそのままその勢いをかっさらいたい」と。

 下馬評では新潟有利だろう。昇格組の相模原、意地の見せどころだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

【SC相模原PHOTO】SC相模原が新施設のオープン記念イベントで練習を公開!!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事