【新潟】内容は良いが結果が出ない…。求められる守備意識の向上

2015年04月30日 五十嵐創(サッカーダイジェスト)

要所を抑えられない失点癖が黒星先行の要因に。

ここぞの場面で守り切れず、失点を重ねている新潟。小泉は「もっと必死になってやるしかない」と戒める。写真:サッカーダイジェスト

 8節を終えた段階で1勝3分4敗と、新潟が不振に陥っている。8節のFC東京戦は、シュート14本を放ちながらも決めきれずに、セットプレーからの1失点に泣いた。相手のシュートを4本に抑え、「ピンチらしいピンチもあまりなかった」(成岡)というなかでの敗戦は、精神的にも大きなショックだっただろう。

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 マンマークを主体としたタイトな守備と、そこからの鋭利なカウンター。さらに、ショートパスを駆使しながら突破力のある両SBを活かしたサイド攻撃も織り交ぜる。チームの戦い方は攻守に渡って明確で、これまでのリーグ戦でも多くの試合でやりたいことを表現できていた。それでも、黒星が先行しているのはなぜか。
 
 最大の要因は、失点の多さだろう。14失点はリーグワースト3位。しかも、その多くが不用意なミスからの失点だ。FC東京戦では「前の試合(G大阪戦)に比べたら集中して入っていた」(成岡)が、要所を抑え切れずにセットプレーから決勝点を奪われた。その理由について、右MFで出場した小泉はこう述べる。
 
「どちらが隙を見せるかの戦いで、最後の最後でウチが隙を見せてしまった。そういう少しの差が大きな差になって来るので、一から考え直したい」
 
 相手がベタ引きになり、完全にポゼッションを握っていたにもかかわらず、セットプレーからのワンチャンスを決められてしまう。集中力を欠いたとは言わないが、ここぞという場面で守り切れないために、黒星を招いたということだろう。
 
「ゲーム自体は高い集中力でやれていたけど、結果がついてこないなかではもっと必死になってやるしかない」
 
 GKの守田も、小泉の意見に同調する。ただし、こうも言う。
 
「同じことをしていても変わらないので、少しずつでも一人ひとりが意識を高く持って、今まで以上のものをピッチで表現しなければいけない。例えば僕だったら、良いセービングをするために、今まで以上に早く良いポジションを取ろうとしていた。そういう細かい部分を意識することで、勝利が引き寄せられると思う」
 
 一人ひとりが細部を突き詰めることで、チーム全体のパフォーマンスを上げる。「FC東京戦は消極的な部分はなかったし、やるべきことはできていた。今はそれを続けて勝点3を取り、メンタル的に余裕が出てくればいい」と成岡が言うように、個々の意識向上が不振脱却の道だということだ。

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