【森保Jポジション別査定】ボランチの勢力図は確実に変化! 欧州での定位置奪取が最低条件になりつつあるエリアは?

2021年03月31日 加部 究

FWは大迫のポストワークを前提とする最適解以上の選択肢は見つかっていない

3月シリーズを戦った森保ジャパンの面々。写真は、左上から時計回りに、南野、大迫、冨安、守田、鎌田、吉田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 森保ジャパン3月の通信簿というテーマだが、フル代表の状況把握には当然同時期に2試合をこなしたU-24代表の内容も踏まえて考察する必要がある。久しぶりに国内組が加わり日本サッカーの着実な底上げを証明したが、反面やはり欧州クラブでコンスタントに出場している選手との差異は明白で、やはり吉田麻也が語っていたように「一人でも多くの選手が欧州の高いレベルで日常戦えるようにする」ことが、代表強化の要諦となることに変わりはなさそうだ。

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【FW=B】
 フル代表では大迫勇也が2戦連続でスタメン出場し、計166分間プレーした。コンパクトな陣形を保ちハイテンポでアタッキングエリアを攻略していくスタイルを志向する以上、依然として大迫のポストワークを前提とする最適解以上の選択肢は見つかっていない。

 ただしリードした展開では、堅守を基盤に浅野拓磨、古橋享梧らを活用してカウンターを狙うオプションが見込める。今回は一緒にプレーしていないが浅野と鎌田大地との相性は良好で、2列目には伊東純也、久保建英、三笘薫ら単独でも運べるタレントも増えており、今後は速いカウンターが威力を発揮していく可能性が高い。

 大迫と同タイプの近似値を求めるなら、対峙するCBのサイズや圧力の関係もあり国内で成長を望むのは難しい。裏表の関係にあるCBで吉田や冨安健洋が活路を開いたように、例えば杉本健勇などのように本来条件を備えたFWは早めの海外移籍を促すなど、現場が意識を共有する積極策も検討していくべきかもしれない。

【攻撃的MF=A】
 言うまでもなく日本代表の最激戦区。現状で右から伊東、鎌田、南野拓実の並びが最有力なのは確認出来たが、U-24では久保がアルゼンチンの警戒網にもまるで怯まず存在感を示したので、五輪以降は再度森保監督も嬉しい悲鳴を挙げることになりそうだ。

 このポジションは今回の森保采配が示したように欧州でのレギュラー奪取が最低条件になりつつある。三笘はもちろん古橋や江坂任も国内では際立った充実ぶりを見せているが、改めてJからスタメン奪取は望めないレベルになっている。
 

次ページCBの充実が、今回の連戦の安定を支えた一方で、懸案はSBだ

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