【甲府】勝てないチームにサポーターも激怒! 樋口監督に求められる「柔軟な采配」

2015年04月30日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

前線の個性を活かし切れていない戦いで、チャンスが増すとは…。

6連敗を喫し、佐久間GM(左)とともにゴール裏のサポーターへ釈明した樋口監督は「全力を尽くして戦うので応援して欲しい」と訴えた。写真:J.LEAGUE PHOTOS

「今日も結果を残せず、サポーターの皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです」
 
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 2節の名古屋戦以来、チームは約1か月、勝ち星から遠ざかっている。8節・浦和戦終了後の記者会見で樋口監督からこの類のフレーズが発せられるのもお馴染みとなった。成績が上向く気配すら感じない現状にサポーターも黙っているはずはなく、ついにはゴール裏に居座り、樋口監督に釈明を求める事態にまで発展した。
 
 不穏なムードに包まれたこの日の敗戦で、連敗は「6」に伸び、総得点(2)、総失点(17)ともにリーグワーストとなった。「全力を尽くして戦うので応援してほしい」(樋口監督)との訴えも虚しく聞こえるほど、攻守両面で問題が山積しているのは明らかだろう。
 
 もっとも、守備面はわずかながら希望の光が灯る。浦和戦は結果的に2失点したものの、先制点を与えるまでは組織的に機能していたからだ。「個々の判断ミスはあるにせよ、少しずつ良い状態に向かっている」(新井)との手応えも得られ、少なくとも、開始早々に失点を喫した5節の神戸戦(●1-4)、6節の鳥栖戦(●0-3)のような"軽さ"がなかったのはポジティブに見て良い。
 
 ただし、いくら守備が良くても「結果が出ないと意味がない」(山本)。その点、攻撃面不振はなにより気がかりな点だ。機能しない要因を問われた樋口監督は、「ファーストパスを相手に渡し過ぎている」と強調したが、果たして問題はそれだけだろうか。もちろん、個で違いを見せられるタレントがいない以上多くは望めないが、前線の個性を活かし切れていない現状の戦いでチャンスの数が今より増すとは考えにくい。

次ページアドリアーノのCF起用に見切りをつけるのもひとつの策。

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