【柏】工藤壮人――J1通算50ゴールは通過点。偉大な先輩を越える日を誓って

2015年04月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

クリスティアーノも舌を巻く、工藤の得点感覚の鋭さ。

48分、工藤は谷口(5番)との駆け引きを制して、フリーでヘディングシュート。同僚のクリスティアーノも「工藤は常にゴールを狙える位置にいる」と舌を巻く。 写真:田中研治

 吉田達磨監督が標榜する攻撃的なサッカーのなかで、柏のエースナンバー「9」が躍動した。
 
 アウェーに乗り込んだ8節・川崎戦の48分、ゴール前で谷口彰吾との駆け引きを制してレアンドロの折り返しを頭で押し込むと、59分には相手の最終ラインとGKの間に上手く入り込み、キム・チャンスのクロスに再びヘディングシュート。昨季の25節・鳥栖戦以来となるリーグ戦1試合・2得点を挙げた。
 
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 前半は27分に決定的チャンスを迎えるも相手GKの好セーブに阻まれ、ほかにも吉田監督曰く「収めなければいけないポイントで2回ボールを失っていた」。それでもミスを引きずらず、「相手のプレスがハマっていなかったので、確実にチャンスは訪れると思っていた」と、後半にゴールできっちりと借りを返すあたりは、実に"雑草魂"を持つ工藤らしい。
 
 ダメ押しとなる4点目を挙げたクリスティアーノは、同じアタッカーとして工藤のゴール前での嗅覚の鋭さに舌を巻く。
 
「工藤は常にゴールを狙える位置にいるんだ。川崎戦の2ゴールも、あそこにいればゴールを決められるというポジションを取っていた。ペナルティエリア内で決め切るFWとしての能力は非常に高いものがある」
 
 今季は常々「勝負したい」と話しているCFではなく、右ウイングが主戦場だ。さらに、1トップで攻撃の起点となるレアンドロ(公式戦3ゴール)、スピードと推進力に長けたクリスティアーノ、巧みなポジション取りと思い切りの良い仕掛けで攻撃にアクセントを加える武富孝介(ともに公式戦4ゴール)と攻撃陣は軒並み好調。工藤は「点が取れなければスタメンを外される」という危機感を持って、ポジション争いに臨んでいるという。
 
「僕自身、ゴールを取れなくてチームに迷惑をかけている部分がある。チャンスでFWが決め切らないと、チームとして乗って来ない。こうして決定機で身体を投げ出してゴールを決めることで、チームにも良い勢いをもたらせるのかなと思う」

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