「日本と闘う覚悟はあったのか!」韓国メディア、母国代表戦士たちの“怠慢な姿勢”を問題視!「まんまと術中にハマった」

2021年03月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「誰もボールを受けようと精力的に動かなかった」

親善試合での敗北がここまでの騒動を引き起こすとは──。それが日韓戦なのだと、韓国代表の選手たちも実感しているか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部:JMPA代表撮影)

 日本戦での歴史的惨敗を受けて、韓国サッカー界はいまだに揺れている。

 3月25日、横浜の日産スタジアムで開催された日本代表vs韓国代表戦、アウェーチームはライバルの前になす術なく完敗を喫した。

 序盤から主導権を握られると、山根視来、鎌田大地にゴールを許して、前半のうちに2点のリードを奪われる。後半はボール支配で盛り返したが、それでもチャンスらしいチャンスはFKから掴んだひとつのみで、逆に鋭いカウンターを連発される始末。途中出場のGKキム・スンギュが好守を連発してなんとか凌いでいたが、終盤、遠藤航にダメ押しヘッドを決められて万事休す。0-3の惨敗に終わった。

 札幌で同じく0-3の敗北を喫して以来、10年ぶりとなった国際Aマッチでの日本戦。韓国国内でも大きな注目を集めていただけに、まさかの大失態にバッシングの嵐が吹き荒れた。パウロ・ベント監督の采配や選手たちの低調な出来、さらにはユニホームの胸元に日本国旗がプリントされていたことまでもが、炎上の火種となった。大韓サッカー協会(KFA)のチョン・モンギュ会長が国民に向けて「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪声明を出すなど、異例の事態にまで発展したのである。

 スポーツメディア『Sportal Korea』は「試合から数日が経っても、あの絶望的な韓日戦から評価できるものなどなんら見つからない。収穫はゼロだ」と断じ、安易なマッチメイクが引き起こした手痛い結末を指摘する。

「韓日戦は劇薬で危険なのだ。隣国・日本はちょっとしたことで国民を刺激する存在であり、そこで敗れれば、どれほど大きな波及効果をもたらすかを想像できていなかったのではないか。結果、KFA会長が頭を下げるような状況に追い込まれたのだ。ファンの失望感も尋常ではない。大事なスパーリングの相手が日本しかいなかった点は理解できるが、彼らと闘う覚悟がはたしてあったのか。勝つか負けるか、それがすべてなのだ」

 ベント監督の采配に関しては、「イ・ガンインをゼロトップで起用したこと自体は問題ない。テストマッチなのだから」としたうえで、「肝心なのは選手たちがそれをどう捉えて振る舞ったかだ。大事なリハーサルとなるべきゲームで、奮起すべき選手たちがあまりにも不甲斐なかった」と糾弾する。

 同メディアが納得できないのは、代表戦士たちの怠慢な姿勢だという。

「ゼロトップが奇策でうまく機能しなかった以前に、選手たちには苦境を打破する試みがまるでなかった。日本に攻勢を仕掛けられて、自陣でのパスワークもままならない。(CBの)キム・ヨングォンやパク・ジス、(ボランチの)チョン・ウヨンらにボールが入っても、日本のプレッシャーに晒されるばかりで、誰もボールを受けようと精力的に動こうともしなかった。やがて前線へのロングボールが多くなり、パスを繋ぐ自分たちのスタイルを放棄したのだ。まんまと日本の術中にハマったと言えるだろう。戦術うんぬんを語る以前の問題なのである」

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