マルセイユが酒井宏樹を売却候補に? 約3億7500万円で放出のウワサに、地元では不満が噴出【現地発】

2021年03月26日 結城麻里

マルセイユ新会長の意向で、放出候補リスト入りか

今夏に酒井はマルセイユを離れるのか? 現地でも去就が注目されている。(C)Getty Images

 30歳となった日本代表DF酒井宏樹の去就をめぐって、オランピック・ド・マルセイユ(マルセイユ)の地元で議論が噴出している。

 報道によるとマルセイユのパブロ・ロンゴリア新会長(34歳)は、この夏にも酒井を300万ユーロ(約3億7500万円)程度で売りに出したいらしい。

 一方、ホルヘ・サンパオリ新監督はと言えば、酒井を構想外にしたわけではないものの、フィオレンティーナからレンタル中のポル・リロラを優先でキープしたい様子。このため地元日刊紙『La Provence』は、今夏の放出候補リストに酒井の名を挿入した。

 だが、これに異論も出始めている。

 地元のウェブメディア『Le Phoceen』は現地時間25日、「ヒロキ・サカイの未来をどうする?」の記事を掲載。「34試合(2851分)に出場してきたサカイは、今シーズンもOMで最も多くプレーしている選手のひとり。みなが『当然だ』と言うことだろう。2016年7月にマルセイユに来て以来、ずっと最多出場者なのだから」と綴り出し、酒井の売り出しに疑問を呈した。
 
 同記事は、「その関与度と非の打ちどころがない精神性で、酒井は5年間もの長きにわたりリーグアン屈指の右サイドバックになっている」と紹介。

 さらに「彼ほど真剣で経験豊富なディフェンダーを手に入れられるなら、少なくないフランスのクラブが興味を持つと想像できる。なにしろ完璧な精神性に加え、守備面ではハイレベルのサイドバックであり続けていることを忘れるわけにはいかないからだ」と強調した。

「とはいえ…」と記事は続けている。

「一銭もかからなかったうえにこれほど確実なリアルバリューになっている選手を放出する利益なんて、果たしてあるのだろうか?」

「彼の年齢と若返りを目指すクラブの意図を見れば、利益ありと考えることもできる。だが逆に、もっと若くてもっと安いもっと良い選手を見つける保証があるのか、となると、そう簡単ではない」

 こうして、記事は読者に投票を呼びかけた。その結果、25日正午時点で約54パーセントが「サカイをキープすべき」に投票。棄権者もいるが、「放出すべき」に投票した人の率は30パーセントほどに留まっている。

次ページ現地でも「放出すべきではない」という意見は多いものの…

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