「脱いだら傷だらけ」城彰二氏が壮絶な日韓戦を振り返る!「バーンって肘打ちされて、口の中がジャリジャリ…」

2021年03月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「選手は韓国に対して、強い思い入れは実は…」

城や前園、中田を擁し、28年ぶりに五輪本大会に出場した日本。(C)Getty Images

 元日本代表FWの城彰二氏が3月24日、自身のYouTubeチャンネル『JOチャンネル』を更新。日韓戦の舞台裏を激白している。

 現在45歳の城氏が今回振り返ったのは、セントラル方式で開催されたアトランタ五輪・アジア予選、決勝(●1-2)のことだ。当時のU-23日本代表はキャプテン前園真聖(横浜フリューゲルス)に、川口能活(横浜マリノス)、中田英寿(ベルマーレ平塚)ら個性豊かなメンバーが顔を揃えた。

 前評判は決して高くはなかったが、西野朗監督のもと、ヤングジャパンは躍動。勝利を重ね、ついに準決勝ではアジア最強のサウジアラビアを前園の2ゴールで撃破。28年ぶりに本大会出場への扉をこじ開けた。そして両者出場権を確保し迎えた、韓国とのファイナルだ。

 ただ、城氏いわく選手たちにとって、日韓戦への思い入れは特になかったという。

「すごくメディアも色々取り上げてくれるけど、あんまり俺たち選手は韓国に対して、強い思い入れは実はない。だってリーグでも一緒にプレーしている選手もいるし。歴史とかを紐解いていくと色んな問題があったんだけど。だけど、やっぱり韓国の人からすると、日韓戦となると目の色が違うというか、本当にすごい激しく戦ってくる。それに感化されて俺たちも『じゃあ負けねえぞ』って感じで熱くなるのが日韓戦」

 そんな隣国との一戦。日本は先制を許すも、城が豪快なオーバヘッドを炸裂させ、一時同点に追いつく。本人はこの衝撃弾については「狙ったわけではない」と振り返る。

「タッチラインにボールが出たら(中田)ヒデがボールをすぐに持って、『城!城!早く行くぞ』って。1回出て相手がちょっと小休憩になりかけたところをヒデが察知して、パーンって(スローインを)投げた。それでボールが来てトラップしたら、ちょっとミスしたのよ。本当は軽く落とそうと思ったら、ポーンって浮いちゃって。やばいと思った瞬間に自然と身体がそのまま動いた。そしたらニアサイドの本当ギリギリのところにスポーンて」

 試合中での特に印象的な出来事には、決勝点となる2失点目を喫してしまった直後、温厚な指揮官が見せた激変ぶりを挙げた。
 
「ゴール決めた後、チェ・ヨンスがボールを日本ベンチの方にバーンて蹴った。そしたら西野さんが『ふざけんじゃねえ』って激昂。西野さんがあんな怒ったのは初めて見た。ピッチから見てももう真っ赤になって。あれはやるせなかったんだろうね」

 さらに、城氏は追加エピソードとして1998年のダイナスティカップでの日韓戦(○2-1)にも言及。後に横浜F・マリノスでチーメイトとなるユ・サンチョルとの秘話も明かした。

「ボールを取りに行こうとしたら、バーンって肘打ちされて。競ってでもないよ。痛えと思ったら口の中がジャリジャリっていうわけよ。そしたら歯が折れて出てきた。神経がタラーンって出ちゃって。ちょっとでも触れたら痛い。だけどアドレナリンが出てるから痛さなんて感じない。

 それにもう腹が立っちゃって。馬鹿野郎と思って。そしたらCKだったの。もう頭に来て、『よっしゃあ』と思って来たボールに飛び込んで、ガーンとヘディングしたら入った。それが決勝ゴール。あれは怒りのゴール、技術とかそんなじゃないね。今までで多分一番感情が入ったゴールだったね。

 日韓戦後、チームでユ・サンチョルが『大丈夫?城ごめん!』って。彼もわざとやるつもりはなかったっぽいだんだけど、衝動的になったみたいな話はしてたね。アドレナリンが上がり過ぎちゃって、多分彼らも分かんなくなるんだろうね」

 そのうえで、最後は壮絶さを物語る驚愕の裏話を披露し、トークを締めくくっている。

「日韓戦終わった後は、ユニホームを脱いだら傷だらけ。やっぱり日韓戦が一番傷を負うね。ガーって掴んでいくとか、そんなの当たり前だから。それくらいヒートアップするのが、日韓戦なのかな。勝ったときはやっぱり最高だよね。見てる人も戦ってる選手も喜びも倍増するし。どの試合もそうだけど、やっぱりちょっと熱くなる」

 果たして今回はどんな展開となるのか。運命の一戦は25日、19時20分キックオフ予定だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】日本代表OB城氏が、日韓戦の衝撃裏話を連発!

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