「ナーゲルスマンかシャビを新監督に迎えるべき」バルセロナの地元紙がクーマン続投案に異例の反論!

2021年03月25日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

スポークスマンとしては優秀だが…

ラポルタ新会長はクーマン監督を続投させる意向だが……。(C)Getty Images

 バルセロナのロナルド・クーマン監督への称賛の声が止まらない。

 20年8月に就任したオランダ人監督は、どん底まで落ちた名門を上昇気流に導き、しかもそれを長年の懸念事項だった世代交代と並行して進めた。時には、長く会長空位の状態が続いたクラブで、みずからが矢面に立たなければならないときもあった。

 頑固なイメージがあるが、開幕時にみずから採り入れた4-2-3-1システムが機能しないとみるや、定番の4-3-3にシフト。守備の破綻が看過できない状況となると3バックを導入し、攻守のバランスを改善させた。

 新たに会長に就任したジョアン・ラポルタもそうした功績を踏まえ、来シーズン以降も続投させる意向を示しており、近く新シーズンに向けたチーム編成、補強戦略について話し合いが行われる予定だ。

 ただそんな中で、続投の意向に異議を唱える声も存在する。
 
「続投反対派にとっては良くない時代だ。勝っても負けてもクーマンに対する評価は変わらない。スポークスマンとしては優秀だが、監督としての力量には疑問が残る。リーダーシップにも問題があるだろう。彼はただクラブへの理解が高いだけだ」

「試合中の瞬発力と対応力に課題がある。もちろん、若手を抜擢している点は称賛に値するが、バルサはチャンピオンズ・リーグでパリ・サンジェルマンに屈してラウンド・オブ16で敗退したにもかかわらず、周囲には満足ムードが漂っている。第2レグで内容が改善したことがその根拠のようだが、それは要求レベルの低下の裏返しではないのか。

 リオネル・メッシを引き留めるには、監督がディテールまで突き詰めたプロジェクト、エネルギーに満ちたリーダーシップ、最先端の戦術を反映させたプレーコンセプトを示す必要がある。ユリアン・ナーゲルスマン(RBライプツィヒ)かシャビ(アル・サッド)を迎えるべきだ」

 これは『スポルト』紙のふたりのコラムリストの意見だ。バルサの機関紙と評される同紙における否定的な見解だけに、異彩を放つ。

 たしかに、クーマンの采配によってバルサに新風が吹き始めた。ただ、前半戦であれほど取りこぼしを繰り返したにもかかわらず解任論が出なかったのは、会長空位という事態が手助けした面もある。

 また、1991-92シーズンのチャンピオンズ・カップ決勝(サンプドリア戦)で、クラブ史上初の欧州制覇をもたらす直接FKのゴールを決めた選手時代の威光にも助けられているだろう。

 クーマンの監督としての真価が問われるのは、周囲の環境が整い始めたこれからだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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