【日本代表】最前線は絶対的1トップの大迫勇也が苦境…カタールW杯までに頭角を表わすのは誰?

2021年03月23日 元川悦子

「1チーム・2カテゴリー」での底上げ。FW陣の現状は?

日本代表の1トップはいったい誰に収まるのか? 写真は左上から時計回りに、田川、大迫勇、上田、林、鈴木、前田。写真:サッカーダイジェスト

 2019年11月以来、1年4か月ぶりとなる国内での日本代表活動が22日から始まった。今回はA代表が25日の日韓戦(横浜)と29日の2022年カタール・ワールドカップ(W杯)2次予選・モンゴル戦(千葉)に挑み、U-24代表が26・29日のU-24アルゼンチン2連戦(東京・北九州)を戦う。

 各チームの強化はもちろんだが、最終的なターゲットは1年8か月後のカタールW杯本大会8強だ。日本サッカー協会の反町康治技術委員長が言う「1チーム・2カテゴリー」で底上げを図っていくことになる。

 その観点で見ると、手薄なポジションがいくつかある。その筆頭が最前線の1トップだろう。2018年夏の森保一監督就任当初から「大迫勇也(ブレーメン)依存症」は問題視されてきたが、その大迫が今季26試合中6戦しかスタメン出場できていないという苦境に立たされているのだ。ゴールもなく、現地では何度もJリーグ復帰が繰り返し報じられている。その彼が今、どんな状態なのかをチェックしておくことが指揮官にとっての最重要命題と言っていいだろう。

 ただ、大迫も今年5月で31歳。カタールW杯時点では32歳という年齢になる。2018年ロシアW杯では本田圭佑(ネフチ・バクー)、岡崎慎司(ウエスカ)らが32歳で3度目の大舞台に参戦したが、本田はスーパーサブに回り、岡崎もケガで満身創痍の状態だった。Jリーグを見ると、38歳の大久保嘉人(C大阪)が今季5ゴールを叩き出し、33歳の小林悠(川崎)も4得点と好調で、30代半ばでも十分やれるところを見せているが、やはりW杯ともなれば強度も負荷も異次元の領域になる。大迫ひとりに全て託すのはリスキーという見方もできる。

 となれば、先を考えても10~20代の若手・中堅を伸ばしたいという森保監督の考えも理解できるところ。それが今回のメンバー選考にも表われている。だが、新顔8人に大迫の後継者候補は皆無。負傷離脱した原川力と坂元達裕(ともにC大阪)の代役も稲垣祥(名古屋)と脇坂泰斗(川崎)のボランチ陣だ。欧州組で最近常連だった鈴木武蔵(ベールスホット)も外れていることを考えると、U-24世代の台頭に期待するしかなさそうだ。

 しかしながら、昨季から高評価だった上田綺世(鹿島)は2月27日のJ1開幕・清水エスパルス戦に出場した後、ケガで離脱。21日の名古屋グランパス戦で復帰したものの、トップフォームには程遠く、今季無得点と結果も出ていない。その傍らで、最近4試合で6発とゴールを量産していた前田大然(横浜)もブレイクの予感を漂わせたが、19日に負傷が発表され、代表活動不参加となってしまった。

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