【試合内容】
　Ｇ大阪はACLの広州富力戦（アウェー/５-０で勝利）から中３日という日程的な影響もあってコンディションは決して本調子ではなかったが、宇佐美、パトリックの２トップ「揃い踏み」のゴールで勝ち切った。
 
　その広州富力戦で右かかとを痛めたパトリックが先発出場を回避したG大阪は前半、新潟のマンマーク気味の守備に苦しんだ。それでも48分、新潟GK守田の背後で気配を消していた宇佐美が、ボールを置いた瞬間にかすめ取り、５戦連発となる先制弾。一時はL・シルバのゴールで同点に追いつかれたものの、満を持して投入されたパトリックが84分に左足から驚愕の弾丸ボレーを叩き込んで、勝ち越しに成功した。G大阪がリーグ戦５連勝を飾り、首位の浦和を勝点１差で追走。

【J１ PHOTOハイライト】１stステージ・７節

【チーム採点・寸評】
G大阪　5.5
連戦の疲労からか、チーム全体の動きは良くなかった。しかし、「取るべき人」が点を取り、守ってもGK東口を中心に１失点に抑え、内容が悪いながらもしっかり勝点３を獲得した。
 
新潟　５
攻守にアグレッシブさを欠き、L・シルバが孤軍奮闘した印象。後半は能力の高い前線の強みを活かして決定機を作ったが、山崎の無人のゴールを目掛けたシュートがクロスバーを叩くなど決め切れないところが、善戦を続けながらも勝点６にとどまっている原因か。
 
【G大阪｜採点・寸評】
GK
１　東口順昭　6.5
ビッグセーブはなかったが、難しいシュートに危なげないキャッングで対応。安定感のあるセービングで、チームに落ち着きを与えた。
 
DF
４　藤春廣輝　６
前半はオーバーラップからシュートまで持ち込むなど、スピードを活かして脅威を与えた。守備面でも大きなミスはなく、逆サイドからのクロスへの絞りも的確だった。
 
５　丹羽大輝　６
空中戦でまず先手を取り、押し込まれてもしっかり中央を固めた。味方との接触で倒れるシーンもあったが、最後までやるべき仕事をまっとう。
 
８　岩下敬輔　５
不用意なパスミスからピンチを招いた場面や、R・シルバに後手を踏む場面も。失点シーンでは目の前にいたL・シルバについていけなかった。
 
22　オ・ジェソク　５
５試合ぶりの先発となったが、一列前の阿部との連係が今ひとつで、効果的に攻撃に絡めず。負傷箇所の不安もあり、前半のみでの交代となった。
 
MF
７　遠藤保仁　5.5
守備ではあっさりと振り切られる場面もあるなど軽さがあった半面、攻撃では大きなミスはなく、パス回しの中心として仕事をこなした。
 
11　倉田　秋　6.5
攻守でアグレッシブな動きを見せ、チームに活力を与えた。さらにパトリックの得点につながるクロスも放った。
 
13　阿部浩之　5.5
後半放ったシュートがポストに嫌われたが、武器のミドルシュートで脅威を与えた。また、守ってもコルテースのオーバーラップに、しっかり対応していた。
 
15　今野泰幸　６
L・シルバとのボランチ対決は見応えがあった。中盤でのボール回収術はさすが。守備を重視し、攻撃面ではやや積極性を欠いた。
 
FW
９　リンス　５
新潟守備陣の"的"となり、プレスの餌食となる場面が多かった。持ち味のスピードを活かして裏を取るシーンも少なく、前半のみで交代に。
 
39　宇佐美貴史　６
動きが重く、ボールロストも目立った。それでも抜け目なく相手GKの隙を突くゴールで、エースとしての最低限の役割を果たした。
 
交代出場
DF
14　米倉恒貴　５
千葉の八千代高時代のチームメイトである新潟のFW山崎に後手を踏む場面もあり、守備の不安定さが目に付いた。
 
FW
29　パトリック　6.5
空中戦の強さやサイドに流れてのキープ力の高さで攻撃に流れを生み出した。身体能力の高さを活かしたボールコントロールから豪快に左足のボレーシュートを叩き込んだ。
 
MF
19　大森晃太郎　5.5
攻守で見せ場はなかったが、運動量の落ちてきたチームに走力で貢献し、穴を空けまいとする高い意識が感じられた。
 
監督
長谷川健太　６
後半開始時にふたりを同時に交代する策で流れを手繰り寄せた。ACLと並行して戦うなか、チームは３冠を獲得した昨季のような安定感を見せ始めている。