【横浜】ブラジル代表10番候補アデミウソンが見せた「本物」のスゴ技。待望の来日初ゴールを多角的に考察する。

2015年04月26日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

放たれたシュートは低い弾道で一直線に――。

得点シーン以外にもゴール前での多くのチャンスに絡んだアデミウソン。試合を重ねるごとにチームにフィットしてきている。写真:田中研治

 前節の浦和戦では、伊藤との連係から放った決定的なシュートが、浦和の阿部に間一髪クリアされた。その前の5節・仙台戦でも、ペナルティエリア内の混戦から右足を振り抜いたショットが、相手GKのビッグセーブに阻まれた。
 
 現在発売中の「サッカーダイジェスト(5/14号)」のインタビューで、アデミウソンは「"その瞬間"は近づいてきている予感がしている」と語っていたが、その言葉どおり、いくつかの惜しいチャンスを経て、7節・湘南戦、ようやく歓喜の瞬間を迎えた。
 
 意地の悪い見方をすれば、期待を裏切り続けた感はあるものの、名門サンパウロの出身で、ブラジルU-21代表の背番号10をつける超逸材は、やはり"本物"だったと言っていいだろう。
 
 9分、齋藤の縦パスを兵藤が右足のヒールで後ろに流す。そこに走り込んだアデミウソンがダイレクトで叩く――放たれたシュートは低い弾道で一直線に湘南ゴールに突き刺さった。
 
 待望の来日初ゴールは、横浜にとってJ1ホーム通算600ゴール目となるメモリアル弾でもあった。
 
「チャンスをものにできずにいたけど、やっと今日決められた。ここまで時間が掛かった分、これからはチームのために、チャンスのたびにゴールできるようにしたい」
 
 そのように強い意欲を示したアデミウソンだが、この湘南戦では得点のシーン以外にもビッグチャンスを作り出している。
 
 39分に下平のクロスに完璧なタイミングでヘディングで合わせ、62分には相手DFを振り切ってドリブルシュートを放ったが、いずれもGKに止められた。70分には先制点と同様に兵藤のヒールパスから狙ったものの、ゴールの枠を大きく外した。
 
 決定力という点では、確かに物足りなかった。ただし、それだけゴールチャンスに絡めているのは、今後に向けてポジティブに捉えて良いだろう。

次ページ柔軟でリズミカルなボール捌きを随所に披露。

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