バルサやリバプールにお薦めの逸材FW! 元Jリーガーの林陵平が徹底分析

2021年03月21日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

いわゆるムービング型のCF

アレクサンダー・イサク
●所属クラブ:レアル・ソシエダ
●国籍・代表:スウェーデン代表
●生年月日:1999年9月21日(21歳)
●身長・体重:192cm・77kg
●推定市場価格:2200万€
(C)Getty Images

 海外サッカーマニアとして知られる元Jリーガーの林陵平氏が、中小クラブで台頭する逸材たちを分析し、メガクラブに「推薦状」としてプレゼンテーションする『ワールドサッカーダイジェスト』誌の連載。バルセロナやリバプールにおススメしたいのが、レアル・ソシエダのアレクサンダー・イサクだという。

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 ドルトムント時代(17~18年)から「ズラタン・イブラヒモビッチ2世」と騒がれていたイサクは、レアル・ソシエダ入団2年目の今シーズン、ついにその類稀なポテンシャルを開花させつつあります。

 192cmですがいわゆる基準点型ではなく、サイドにも積極的に流れるムービング型のCF。長身にしては足下のテクニックに優れ、かなりのスピードも備えています。シザースなども絡めたフェイントとダッシュ力を活かして敵のディフェンスラインを突破し、パンチのある強烈なシュートを叩き込みます。

 今シーズンは開幕からCFに定着し、この冬にはライバルだったウィリアン・ジョゼを退団に追い込みました(ウォルバーハンプトンへ)。年明け以降は18節から6試合連続得点と絶好調で、24節にはハットトリックを達成。欧州5大リーグでは自身初の二桁ゴール(12得点)に到達しました。
 
 戦術面は荒削りですが、潜在能力的にはまだまだ伸びしろがあるはず。「バックアッパーとして獲得し、数年後には主力に」という構想でメガクラブ側は引き抜きを検討してもいいと思います。

 キャリアを通じてCFが主戦場でしたが、プレースタイル的にはサイドに置いても面白い。いずれにしても、ポジションをあまり固定化しないチームのほうが持ち味は活きるはずです。その意味では、リオネル・メッシの去就にかかわらず攻撃陣再編が急務なバルセロナ、そして強力3トップの控えが心許ないリバプールなんかに、獲得をオススメしたいですね。

 推定市場価格も2200万ユーロとまだお手頃ですし、今のうちに投資する価値は十分あると思います!

取材・文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
※ワールドサッカーダイジェスト3月18日号より転載。

【プロフィール】
林陵平/186cm・80kgの大型ストライカーとして鳴らした元Jリーガー。ヴェルディ・アカデミーと明治大学を経て2009年に東京ヴェルディとプロ契約し、翌年から柏、山形、水戸、ヴェルディ、町田、群馬を渡り歩き、2020年シーズンをもって現役引退した。Jリーグ通算成績は300試合・67得点。自他ともに認める「欧州サッカーマニア」で、海外選手のゴールセレブレーションを取り入れて話題にもなった。現在は『DAZN』のハイライト動画を全て確認し、フル視聴も最低1日1試合が日課だ。ツイッター(@Ryohei_h11)では海外ネタを日々つぶやき中。21年1月には、自身初の著書『Jリーガーが海外サッカーのヤバイ話を教えます』(飛鳥新社)を出版し、東京大学ア式蹴球部の新監督にも就任した。1986年9月8日生まれ、東京都出身。
 
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