【FC東京】褒められた内容ではなかった湘南戦。それでも長谷川監督が「非常に大きな勝利」と語る理由は?

2021年03月17日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

「2勝目を挙げるまではチームというのは少し勝ち星に対してナーバスになる」

決勝弾の渡辺剛(中)は、「守備の課題は多い」と試合を振り返った。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ5節]FC東京3-2湘南/3月17日(水)/味の素スタジアム

 FC東京は、27分に湘南ベルマーレに先制点を許し、逆転した後も同点にされるなど苦しい展開となったが、追いつかれた直後の81分に渡辺剛が勝ち越しゴールを奪い、3-2で接戦を制して今季2勝目を挙げた。

 試合後に長谷川健太監督は「難しい試合でしたし、決して褒められた内容ではないですが、選手たちが頑張って、勝点3をもぎ取ってくれた。非常に大きな勝利だったと思います」と振り返った。

 課題は多かったかもしれないが、FC東京にとっては実りの多いゲームだったとも言えそうだ。

 失点した後の37分、戦前から指揮官が「この試合でさらに結果を出して、自信を持ってスタートを切るシーズンにしてほしい」と期待を寄せ、その筆頭と名指ししていた田川亨介が反撃の口火を切る。

 さらに、「真ん中で起点になり、これで(今季)2点目。前線の核となってもらえば」と信頼の厚いディエゴ・オリヴェイラが3分後に追加点。この逆転弾をお膳立てしたのは、左SBに入った中村帆高で、昨季から課題として挙げていたSBが得点に絡み結果を出したゴールだった。

 79分に同点に追い付かれるものの、2分後には渡辺剛がすぐさまゴールを奪い返した。
 
 長谷川監督は「序盤戦勝ち星を重ねていくまで、よく『両目が開くまで』と私は言っているのですが、2勝目を挙げるまではチームというのは少し勝ち星に対してナーバスになる。

 勝っていてもどこかで追いつかれたくないというそんな姿勢になりがち。前節はそういう形で追いつかれたので、今節は最後までアグレッシブに戦おうと話もしました。が、選手もどこかで勝ち切りたいというか、大事に行きたいという心理が働く」

 そう試合運びには課題が多かったと振り返る一方で、この日勝ち切れたことは大きいと語る。

「どのチームも一緒ですが、1勝するというのは本当に大変。勝ってくるとチームも乗ってくるが、それまではリードしていても不安というのが付きまとう。勝たないと選手も自信というのが出てこない。そういうなかで勝ち切ったというのは選手たちがよく踏ん張ってくれたと思います」

 ついに両目が開眼したFC東京。長谷川監督は今季初の連勝を目指して、次節ベガルタ仙台戦を見据えている。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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