【岩本輝雄】やっぱり強いマリノス。ボランチ起用で輝く岩田、“面倒くさい”松原。前田はもっと自分勝手でもいい

2021年03月16日 岩本輝雄

その動きは実にスムーズだし、簡潔に言って、上手い

前節の浦和戦は3発完勝。2得点の前田(38番)はストライカーとして本格化してきたね。(C)SOCCER DIGEST

 マリノスが強いね。フロンターレとの開幕戦は黒星だったけど、そのあとのサンフレッチェ戦は1-3から追いついてドロー、アビスパ戦は3-1で今季初勝利、そしてこの前のレッズ戦は3発完勝で連勝と調子が上がってきた。

 今季は3バックを本格的に導入しようとしていたみたいだけど、マリノスは4バックのほうがいいと思う。ポステコグルー監督のサッカーは、両サイドを張らせてワイドからのスピーディなアタックが基本。3バックだと高い位置を取ったサイドの背後を狙われて、ピンチになるケースが少なくない。でも4バックなら、そうしたシチュエーションは減らすことができる。今後も4バックを軸に据えたほうがいいと思う。

 最終ラインで言えば、チアゴの存在が頼りになる。怪我で本領を発揮できていなかった去年と違って、今年はコンディションも良さそうで、本来の姿を取り戻しているんじゃないかな。自慢の俊足で広いスペースをカバー。チアゴがいることでマリノスのハイライン戦術は成り立つし、その結果、より攻撃に厚みを出せる。攻守両面で欠かせない選手だ。

 それから新加入の岩田のボランチ起用は、まさに適材適所。前所属の大分では主に3バックやウイングバックでプレーしていたように、まず基本的に守備力が高い。ガツンと相手を潰せる。レッズ戦ではチアゴ、畠中の2CB、その前に岩田と扇原が並ぶブロックは、かなり"頑丈"だった。

 ビルドアップの時には、岩田はCBとSBの間に落ちて、後ろから組み立てることも。3バックには慣れているはずで、その動きは実にスムーズだし、簡潔に言って、上手い。
 
 さらに、パスを出したあと、普通のDFはそこでステイすることが多いけど、岩田はそのまま前に出ていく。そうすることで相手のFWも岩田についていって、マリノスからすればボールを動かすためのスペースが生まれることになる。これはかなりクレバーなアクションだよ。

 マイボールにすれば、余計なことはしないで、シンプルに捌く。良いリズムを生み出しているし、かなり効いていると思う。マリノスのハイテンポなサッカーにマッチしているよね。
 

次ページ2年前のような躍動感と勢いが生まれつつある

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事