日本代表、国内組のベスト布陣を探ってみた。欧州組の招集が不透明な状況で日韓戦のピッチに立つのは…

2021年03月16日 加部 究

今回のチームは、五輪候補の選手を除く国内ベストメンバーを探り、招集できた欧州組が加わることになるか。ただし、昨今の状況では…

スポーツライターの加部究氏が考える日本代表の国内組ベストメンバー。(C) SOCCER DIGEST

 フル代表のためのインターナショナルマッチデーに合わせてU-24代表の強化試合を実施するため、コロナ禍で欧州組の招集が困難な状況を踏まえれば、JFA(日本サッカー協会)は国内組で2つのチームを用意しなければならない可能性がある。これまで五輪は若手の登竜門のイメージが定着してきたが、1年開催が延びて参加資格年齢も上がっており、逆にオーバーエイジも含めれば、ほぼ働き盛りを網羅できることになった。

 だがそれだけに日本のような輸出国にとっては、両代表の試合を開催する事情が厳しくなっている。基本的に欧州クラブが求めるのは、本来五輪に出場が可能な23歳以下の選手たちで、投資優先なら目を向けるのはさらに若い層になる。当然輸出国は輸入先の需要に合わせて選手を送り込むので、20歳代前半で国内に残るのは大卒を中心とした遅咲きタイプになる。

 一方でタイミングと五輪が大好きな国民嗜好を考えれば、おそらく今回はU-24代表の強化が優先される。そうなるとフル代表は、場合によっては1度日の丸を卒業したベテランや、逆にU-24候補から漏れた選手に助けを求めることにもなりかねない。

 救いがあるとすれば、招集を日韓戦1試合に絞れば、渋々承諾する欧州クラブが出てくる可能性もあり、そこはJFAの交渉力にかかってくる。

 国内では久々の代表戦になり、言うまでもなくファンが待望するのは空白の期間にJリーグで台頭した新戦力の抜擢だろう。それはもはや国内に留まるレベルを超えて川崎を牽引している三笘薫、田中碧を筆頭に、所属クラブで主役を担っている大迫敬介(広島)、渡辺剛、安部柊斗(FC東京)、瀬古歩夢(C大阪)、郷家友太(神戸)、前田大然(横浜)、上田綺世(鹿島)らの名前が連想されるが、彼らはいずれも五輪世代。開催を想定し、最終段階の準備に入るU-24代表のテストマッチに回ることになりそうだ。またそれは招集可能になった該当年齢の欧州組も同様だ。

 つまり今回のフル代表は、まず五輪候補を除く国内のベストメンバーを探り、そこに招集できた欧州組が加わる。ただし欧州組の交渉状況は藪の中なので、ここでは現状での国内ベストを探ってみた。

【画像】直近の日本代表メンバー24名はこちら!

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