【強豪校レポート】桐光学園|昨年の悔しさを糧に決意のシーズンに挑む

2015年04月22日 安藤隆人

鈴木監督「今年はよりボールを握って、良さを出せるサッカーができるはず」

中村俊輔や藤本淳吾をはじめ数々のプロ選手を輩出してきた桐光学園。今年は全国行きの切符を奪回したい。

 昨季はインターハイ、選手権ともに全国への切符を逃し、不本意な結果に終わってしまった。しかし、先輩たちは失意に沈みながらも、プレミアリーグ参入戦が懸かったプリンスリーグでは、最後まで奮闘を続け、後輩たちに強烈なメッセージを残して卒業していった。果たして、昨年の悔しさを糧に新チームとなって動き出した桐光学園は今年、いかなる戦いを見せるのだろうか。指揮官へのショートインタビュー、今季のキーマンから桐光学園の現状と注目ポイントをお伝えする。
 
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■鈴木勝大監督インタビュー
 
――いよいよシーズンが始まりますが、新チームはどのようにスタートを切ったのですか?(※インタビューは3月17日に行なった)
 
「毎年のことですが、新チーム立ち上げの際には、規律の見直しと徹底を心がけています。具体的には、グラウンド内での規律やグラウンド外でのルールが去年は徹底できていたのか見直し、その反省を活かした形でスタッフ側も選手に対してアプローチしていきます。グラウンド外の規律も含めて、しっかりと徹底することを心掛けています」
 
――昨年は選手権に出場できなかったため、早めに新チームに切り替えることになったと思いますが。
 
「新チームは、昨年12月中旬まで行なわれたプリンスリーグが終わってからスタートしました。まずはすぐにキャプテンをFW小川航基に決めました。彼を指名した理由はいろいろあります。1年生から試合に出ていた選手ですが、去年は怪我をしてインターハイ予選に出られませんでしたし、復帰してから掲げた『選手権に出て、得点王になる』という目標も達成できませんでした。
 
 昨年、一番悔しい思いをしたのが小川だと思いますし、精神的に成長していると思う。まずはトップフォームに戻すことができれば、チームを牽引してくれると思います。FWの選手にキャプテンを任せるのはどうかなと思っていたのですが、彼には学校生活の部分でも、人を惹き付ける力があったので、任命しました」
 
――今年はどんなチームに仕上がりそうですか?
 
「今年のチームは着実にビルドアップをしていこうと思っていますが、昨年は前からボールを追いかけていくなかで、フィジカル的に五分五分のボールに負けているシーンがありました。そうした面もあり、最初は筋力的な強化を中心にやりました。昨年は、下級生が多いチームで、結局夏も冬も全国に行けず、プレミアリーグにも昇格できませんでした。小川を中心に、この悔しさを晴らしたいという気持ちが強いチームなので、今年は自分たちがよりボールを握って、良さを出せるサッカーができると思っています」
 
――今シーズンへの意気込みをお願いします。
 
「昨年、獲り忘れたものを獲りに行ける可能性を十二分に秘めているチームだと思っています。まずはプリンスリーグを戦っていくなかで、日に日にチームを熟成させていきたいですね」
 

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