史上最高の選手のひとりと日々をともにすることは、これ以上ない貴重な経験だ。毎日のトレーニングで、その圧倒的な才能を糧にすることができる。

　ただ、ウォルバーハンプトンのネウソン・セメドは、バルセロナのリオネル・メッシにまつわる興味深いエピソードを明かした。昨シーズンまで３年にわたってバルサに在籍したセメドは、メッシがFKの練習をしているところを見たことがないと話している。

　英紙『The Sun』によると、セメドは『Telegraph』紙のインタビューで「本当に、彼のすごさを表現できる言葉は多くないよ」と、メッシに驚嘆したことを振り返っている。

「彼がさらにすごいのはなぜかわかるかい？ 僕がバルサに在籍している間ずっと、練習で彼がFKを蹴るところを一度も見たことがないんだ。誓って言うが、彼はまったく練習しなかった」

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　ポルトガル代表DFは「僕たちは遠い距離からのシュートを練習していたけど、メッシがFKを蹴ることはなかったんだ。彼はただ自然にやってのけていたんだよ」と続けた。

「練習で完璧になると言われるけど、彼の場合は練習しなくても完璧だった」

　同紙は、メッシの直接FKでのゴールが通算55得点であり、歴代トップ10に入っておらず、現在のバルサ監督であるロナルド・クーマンの記録も下回っていると指摘した。

　だが、セメドは「信じられない選手だよ。本当に説明できないんだ」と、2019年５月のチャンピオンズ・リーグ、リバプール戦でメッシが決めた直接FKや、加入間もないころのドリブル突破などに感銘を受けたと話している。

「無意識のうちに、ピッチで『この人はどうしてこれができるんだ？』と思っていたよ。彼は良い選手も下手に見せてしまうんだ」

　メッシの圧倒的才能は、世界最高級の選手たちをも驚がくさせる。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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