【ルヴァン杯】昨季王者のFC東京が徳島を撃破。守備陣で光ったのは…

2021年03月03日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

59分に先制点を決めたのは田川

力強い守備を披露した蓮川(手前)。今後に期待を抱かせる活躍だった。写真:滝川敏之

 3月3日、味の素スタジアム。リーグ開幕戦から先発メンバーを大きく入れ替えたルヴァンカップ初戦は、ホームのFC東京がアンカーを置く4-3-3システムで、アウェーの徳島がオーソドックスな4-4-2に近いシステムで臨む形となった。

 マイボールをとにかく大事にする徳島と、縦に速い攻撃で揺さぶりをかけるFC東京。やり方は違うが双方ともアグレッシブにゴールを狙う展開に序盤戦はなった。

 ただ、25分頃までは中盤での潰し合いが目立ち、決定機らしい決定機がなかった。FC東京はインサイドハーフの三田を起点に仕掛けるも相手のバイタルエリアを攻略できず、一方の徳島も左SBのジエゴのオーバーラップを頼りに突破口を探すがシュートに結び付けられなかったのだ。

 30分を過ぎても、じりじりとした展開が続いた。35分にセットプレーのチャンスからFC東京の青木がヘッドで狙ったシュートも、クロスバーを叩き……。結局、前半を終えて0-0。どちらのペースとも言えない状態のまま、後半を迎えることになった。

 前半、意図的にパスを繋いでいたのは徳島のほうだった。最終ラインでタメを作りつつ、中盤に顔を出した選手にボールを当て、そこから前線に展開していく。クオリティはさて置き、細かいパスで崩すという狙いは明確だった。一方で、FC東京の攻撃はひと言で中途半端。前半途中からは前線にもスムーズにつながらず、ゴールの匂いがほとんどしなかった。
 
 そうした戦況で迎えた後半、徳島が49分に決定機を迎える。左サイドの崩しから最後はFWの河田が至近距離からシュート。GK児玉の好セーブでゴールにならなかったが、パスワークで崩す徳島の形が見えたシーンだった。

 しかし、先制点を決めたのはFC東京。59分、ゴール前での相手のクリアミスに素早く反応した田川の冷静なシュートでリードを奪った。

 これで落ち着いたのか、永井に代わりアダイウトンを投入したFC東京は、そのアダイウトンを軸にチャンスを作り出そうとする。68分に髙萩をトップ下に入れ(三田をボランチに移行)、4-2-3-1システムに変更してからは守備が安定。残り20分はまずまずの内容を披露した。

 守備陣で奮闘していたのは大卒ルーキーでCBの蓮川。落ち着いたディフェンスでピンチの芽を摘みつつ、自らボールを持って攻め上がるなどアピール。今後、リーグ戦でも出番をもらえるのではないかという期待を抱かせた。

 試合はFC東京が1-0で徳島に勝利。昨季のルヴァンカップ王者が意地を見せる結果になった。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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