【アビスパ福岡の開幕戦・予想布陣】要所に外国籍選手を置き、質と強度は確実に向上。鍵を握るのは…

2021年02月27日 中倉一志

名古屋の強烈な個を抑え込む

アビスパ福岡の開幕戦予想フォーメーション。

[J1リーグ開幕節]福岡-名古屋/2月28日(日)/13:00/ベスト電器スタジアム

 昨シーズンのスタイルをベースに、その強度と質を高めて戦うのがチームとしての狙い。フォーメーションは昨シーズン同様に4-4-2を採用。FW、ボランチ、そして最終ラインとチームの要に外国籍選手を置き、質と強度は確実に高まっている。まだ来日を果たせていないクルークスを含み7人の外国籍選手が登録されており、どのように起用するのかという難しさはあるが、「起用の難しさよりも、チームの層の厚さの方が比重は大きい。コンディションだけではなくて、対戦相手や、自分たちが力を発揮するための組み合わせも含めて、一番いい状態でゲームに臨ませたい」と、長谷部監督は起用方針を口にする。

 最終ラインには、外国籍選手が3人並ぶ模様。昨シーズンにJ2最多アシストを記録した元スウェーデン代表のサロモンソン、高さと対人の強さに圧倒的な力を発揮するグローリ、大怪我から復帰しクレバーなプレーで相手の攻撃を阻むとともに、正確なキックで攻撃の起点にもなれるグティエレスが並ぶ最終ラインは、J1でも十分に通用する顔ぶれ。名古屋の強烈な個を抑え込むつもりだ。
 
 攻撃面では新戦力のブルーノ・メンデスを中心に両サイドハーフとのコンビネーションでゴールを目指す。激しいポジション争いを展開する左サイドは、戦術理解度が高く、昨シーズンの戦いで献身性と守備力を身に付けた石津の起用が濃厚。また急きょ獲得した金森については戦術理解度という点で不安も残るが、「彼の持っているものを出してくれれば、十分にチームに貢献してくれると思っている」と指揮官は信頼を寄せている。

 鍵を握るのは前、重廣が並ぶダブルボランチ。ゴールを守るというよりも、ボールを奪いに行く守備がアビスパの特徴のひとつ。昨シーズンは、狙い通りに奪ったボールをいい形で前線につなぐことができず、攻撃を活性化させられなかったという課題を持つが、前線には控え選手も含めて特徴のある選手が多く、「守」から「攻」への切り替えさえスムーズにいけば、得点チャンスが生まれるはずだ。

 そういう意味では、ボール奪取力に優れるだけではなく、ボールを配る能力も高く、時にゴール前まで顔を出せるカウエの起用も十分に考えられる。コンディションに問題はなく、フアンマを前線に置くのか、それともカウエに中盤のコントロールを任せるのか、長谷部監督の采配に注目が集まる。

文●中倉一志(フリーライター)
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