【開幕特集】新生セレッソでブレイクが期待される若手4人を一挙紹介! J2で13発の大卒2年目FWは坂元の“再現”を狙う

2021年02月26日 小田尚史

レンタル先で成長した2人のアタッカー

新生C大阪で飛躍が期待される(左から)山田、加藤、西川、中島。写真:滝川敏之、(C)CEREZO OSAKA

 今季のセレッソ大阪は、8年ぶりにレヴィー・クルピ監督を招聘。昨季からの得点力アップを目指し、攻撃的なサッカーを旗印に掲げ、世代間のバランスも若返りを図った。

 その意味で、これから名前を挙げる若手4選手には、今季の"ヒーロー候補"として、大いに期待が懸かる。宮崎キャンプでの練習試合を見る限り、現状はいわゆる"サブ組"の立ち位置ではあるが、彼らの突き上げ、シーズンを通しての成長曲線が、そのままチームの底上げにもつながっていくだけに、重要な役割を担っている。

 一人目は、新潟への育成型期限付き移籍から復帰した中島元彦。昨年7月に移籍すると、すぐにアルベルト・プッチ・オルトネダ監督の信頼を掴み、J2リーグ35試合5得点と結果を残した。

「試合に多く出られたことは良かった。攻撃は自由にやらせてもらったので、アイデアは増えたし、有意義な時間になった」と確かな自信を胸に挑む今季。キャンプでは、2列目の左でスタメン組に交じってプレーするなど、クルピ監督の期待も大きい。「チャンスを生かすかどうかは自分次第。ゴールへ向かう姿勢を出して、アピールしていきたい」と闘志を燃やしている。

 二人目は、同じくレンタルバック組の山田寛人。昨季は急遽、開幕前に仙台へ期限付き移籍すると、J1初先発の第3節・浦和戦で待望のJ1初ゴール。シーズン終盤には定位置も獲得するなど「素晴らしい経験ができた」と小さくない自信を掴んだ。

 今季に向けて「セレッソで活躍したい思いを強く持って帰ってきた。同年代のライバルも多いので、結果を残したい」と話していたが、キャンプの練習試合では左サイドハーフで起用され、2得点とアピール。大柄ながら足下の技術にも長け、収まりも良い万能型。虎視眈々とブレイクの時を待つ。

【画像】J1全20チームの2021年シーズン予想フォーメーション
 次に推したいのが、金沢から完全移籍で加入した加藤陸次樹だ。昨季は大卒1年目にしてJ2で42試合に出場して13点を記録。個人として強烈なインパクトを残し、J1へ"個人昇格"を果たした。

 キャンプ序盤は昨季のやり方との違いに戸惑う姿もあったが、徐々に慣れると、終盤はスタメン組で豊川雄太と2トップを組むなど序列を上げた。キャンプ最終日に行われた岡山との練習試合では、打点の高いヘディングで"加入後初ゴール"もゲット。昨季の坂元達裕に続き、"大卒→J2で活躍→J1でブレイク"のルートを辿れるか、期待は高まる。

 そして最後に、忘れてはならないのが西川潤だ。高校年代屈指のアタッカーとして鳴り物入りで加入した昨季は、リーグ戦13試合に出場して1得点と爪痕は残したが、期待値の大きさを考えると、本人も周囲も満足のいく一年ではなかった。

 それだけに、迎えるプロ2年目の今季。「出場時間を伸ばして、結果を残したい。良いシーズンを送りたい」と決意は固い。宮崎キャンプでは、途中、別メニューの日々も続くなど猛アピールとはいかなかったが、若手の才能を伸ばす手腕に長けたクルピ監督の下、飛躍のシーズンにしたい。

文●小田尚史(サッカーライター)
 
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