【FC東京の開幕戦・予想布陣】見どころは右サイド!新加入の渡邊凌磨が面白い存在になっている

2021年02月26日 馬場康平

悲願のリーグ初制覇へ

FC東京の開幕戦、予想布陣。

[J1リーグ開幕節]浦和-FC東京/2月27日(土)/14:00/埼玉スタジアム2002

 昨季のルヴァンカップ王者が目指すのは、悲願のリーグ初制覇だ。そのために、挑戦2年目となる4-3-3システムの充実は欠かせない。目標の60得点と、失点減をかなえ、安定して勝ち点を積み上げるためには、ある程度メンバーの組み合わせを固める作業が必要になってくるはずだ。

 ポジション争いの開幕時点での見どころは、右サイドにある。昨季は過酷な日程の中で、多くのメンバーが試された。

 左サイドは、レアンドロ、安部、小川を主力に、内田を絡めて最適解を見いだしたと言っていいはずだ。

 一方で、シーズン途中の負傷によって東が長期離脱を余儀なくされた右サイドは年間を通じてメンバーを固定することができなかった。いかに、この縦のラインを埋められるのか。右サイドバックは昨季同様に、ダブル中村の併用となるが、それに伴って右ウイングに求められるキャラクターも変わってくる。理想を言えば、2セットはほしいところだ。
 
 そのなかで、プレシーズン期間中に台頭した新加入の渡邊凌磨は面白い存在になっている。攻守両面で活躍できるオールラウンダーはインサイドハーフでも起用されており、いかにチームに組み込むかは開幕前の争点の一つになっている。また、右サイドには三田と紺野も控えており、豊富な手駒から誰を起用していくのか。長谷川監督の決断に注目が集まる。

 そして、中央のポジションは現時点では無風区に近い。ただし、けがで出遅れている永井、高萩らが復帰し、未だ入国できていないブルーノ・ウヴィニがチームに加われば、途端にポジション争いは熾烈を極める。昨季終盤に見せた、森重のアンカー起用など、戦術的な幅も広がってくる。昨季ほどではないが、タイトな日程を乗り切るためには若手の抜てきも大いにある。そういう意味で、チームの完成は夏以降となるだけに、進化の過程を楽しめる一年になりそうだ。

文●馬場康平(フリーライター)
 
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