【鹿島】「どのポジションでもハイレベルに」。見逃せない土居聖真が示すプラスアルファ

2021年02月25日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

点数を付けるなら「60点から70点ぐらい」

ユースから昇格し、今季でプロ11年目。鹿島のDNAを継承すべき生え抜きは、魂のこもったプレーで周囲を鼓舞し、チームを引っ張っていく。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト編集部)

 本音を言えば、「トップ下で勝負したい」、だ。

 ただ、今季の主戦場はおそらくサイドハーフになりそうだ。清水との開幕戦を6日後に控えた2月21日の水戸とのトレーニングマッチでも、土居聖真のポジションは4-4-1-1の左サイドハーフだった。

 ザーゴ体制1年目の昨季は、セカンドトップ気味のトップ下とサイドハーフで起用された。自身のパフォーマンスに点数を付けるなら「60点から70点ぐらい」だった。

 落第点ではないが、及第点を少し上回る程度か。サイドハーフでの働きぶりに、土居自身はまるで満足していない。

「サイドハーフの時のパフォーマンスが平均点ぐらいだったので。プラスアルファを出せなかった。トップ下に入った時よりも、生き生きできなかった」

 インパクトを残せなかった理由は、本人が一番理解している。

「リスクを負うようなダイナミックなプレーをもう少し取り入れてもいいし、もっとボールを引き出す、要求することも必要になってくる。サイドにいると、どうしても中央にいる時よりボールに触れる回数が少なくなってしまいがちなので」

 トップ下への強いこだわりは持ちつつ、サイドハーフでの課題改善にも前向きに取り組むつもりだ。「どのポジションでもハイレベルにプレーしなければ、チームに貢献できない。どのポジションでもハイパフォーマンスを出せるように、日々頑張っていきたい」。

 ユーティリティ性も魅力だ。たとえば、ボランチの選手全員が怪我で離脱すれば、代役を務められる自信はある。「どこでもやれる。しかも、ただやれるだけではなく、プラスアルファも必要になってくると思う」。いかなるチーム状況でも、求められるプレーヤーでありたい。想定以上の活躍を見せたい。「どんなイレギュラーがあっても対応できる経験はある」という言葉が頼もしい。
 ユース出身の生え抜きは、鹿島一筋11年目を数える。在籍年数では、15年目の遠藤康に続き、2番目の長さだ。

 小笠原満男、内田篤人、曽ケ端準と、クラブの中軸を担ってきたレジェンドたちは、すでに現役を退いている。次世代のアントラーズをけん引すべき存在でもある土居は、どんなリーダー像を描いているのか。

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