「時代は変わらない」元フランス代表の“10番”がメッシとエムバペの比較論に苦言!「あのハットトリックだけで…」

2021年02月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

「カンプ・ノウでのハットトリックは崇高だったが…」

長くサッカー界を牽引してきたメッシ(左)に肩を並べる存在として期待されているのが、エムバペ(右)だ。 (C) Getty Images

 現地時間2月16日にカンプ・ノウで開催された、チャンピオンズ・リーグのラウンド・オブ16第1レグで、バルサを4-1で打ち破ったパリ・サンジェルマンで異彩を放ったのは、"フランスの怪童"キリアン・エムバペだった。

 リオネル・メッシのPKで1点を先制されて迎えた33分に同点弾を決めると、63分には逆転ゴールをゲット。さらに2点リードとなった85分には、相手DFのジェラール・ピケを自慢の快足で振り切ってハットトリックを達成したのだ。

 次第に覇気を失っていったバルサイレブンを尻目に、怒涛のゴールラッシュを決めたエムバペ。試合後には、伊紙『Gazzetta dello Sport』が「メッシ? 違う! 真のフェノーメノ(怪物)はエムバペだ」と綴るなど、PKによる1点だけにとどまったバルサの10番との比較論も様々なメディアで語られた。

 そうしたなかで、興味深い持論を展開した往年の名手がいる。かつてフランス代表で10番を背負ったこともあるリュドビク・ジュリだ。

 現役時代にバルセロナとパリSGで活躍した経験を持つレ・ブルー(フランス代表の愛称)のレジェンドは、地元紙『Le Parisien』のコラムで、過熱したメッシとエムバペの比較論に「みんな落ち着くべきだ」と苦言を呈した。

「誰もが知っている通り、エムバペはそのうち、バロンドールを手にするフランス人になる。だが、まだ彼には継続性がない。レオ(メッシ)のキャリアを馬鹿にしてはいけない。彼がこの15年でやり続けてきたことは、たった一つのハットトリックだけで覆せるようなものじゃない」

【動画】エムバペが怒涛のハットトリック!パリSGがバルサを粉砕した衝撃の一戦のハイライト
 さらに「メッシからエムバペに時代は変わらない」とも主張したジュリは、こうも記している。

「確かにカンプ・ノウでのハットトリックは崇高だった。だが、あれだけではダメなんだ。僕はエムバペがメッシのようなキャリアを歩むことを望んでいるけど、そうなるにはコンスタントに活躍しなければいけない。

 間違いなく"新たなメッシ"になり得るよ。それがエムバペの運命だからね。ただ、あまりに早く到達することはあり得ない。クリスチアーノ・ロナウドもそうだが、偉大な選手というのは長続きするものだ。だから、彼の真価を教えてくれるのは、時間だけだよ」

 同胞のレジェンドからの言葉に、エムバペは何を想うのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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