「まだとんでもないタレントだ」苦境のベイルは復活できるのか。元同僚がモウリーニョに“指南”「少し痛がっても…」

2021年02月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

マンC戦では存在感を放つ

トッテナム復帰後も不振にあえいでいるベイル(左)。復活のカギは、モウリーニョ(右)の起用法にあるのかもしれない。 (C) Getty Images

 昨夏にレアル・マドリーからのレンタルで古巣トッテナムに復帰したガレス・ベイル。その当時は、彼の復活を期待する声も少なくなかった。だが、かつて自身が飛躍を遂げたプレミアリーグに戻っても、ウェールズの至宝の不振は続いている。

 最近ではジョゼ・モウリーニョ監督との軋轢も取りざたされているベイルは、現地時間2月13日に行なわれたマンチェスター・シティ戦では72分から途中出場。華麗なステップワークで、相手DFのアイメリク・ラポルテとジョン・ストーンズを鮮やかに抜き去り、左足の強烈なシュートを打ち込むなど見せ場を作り、存在感を放った。

 そんなベイルの姿に希望の光を見出した男がいる。かつてトッテナムでベイルのチームメイトだった元イングランド代表MFジャーメイン・ジェナスだ。英公共放送『BBC』での解説で「トッテナムでの終わりの始まりを目にしているかもしれないと思っていた週末、彼はまだ終わっていないかもしれないという小さな兆候を見せた」と述べた。

 ジェナスはベイルのドリブル突破や中盤に戻って守備に奔走し、味方を鼓舞する様子などを例に挙げ、「シティ戦で見たように、彼はまだとんでもないタレントだ。駆り立てて、代表のときのようなプレーをさせる必要がある」と強調した。

「トッテナムでそうなることを願うが、おそらくはベイルのみぞ知るというところだ。今の彼に必要なのは、そのハングリーさをもっと出すことだろう。それがなければ、彼の見事なキャリアはメソメソ泣いて終わるようなことになりかねない。それは、彼の偉大な才能にはまったく値しない」

 モウリーニョは先日、ベイルが9日にSNSで「きょうは良い練習」と投稿したことを批判した。選手の希望で検査を受け、10日のFAカップを欠場することになったからだ。
 
 ジェナスは「選手と指揮官の間に問題があることは間違いない」としたうえで、ベイルが気質を見せ、モウリーニョはそれを引き出すようにすべきと持論を口にしている。

「僕が期待し、彼がまだ見せていないのは、『オレは最高レベルでの勝ち方を知る。その助けになる』という姿勢で戻ってくることだった。まだそれは可能だ。トッテナムはトップ4争いやリーグカップ決勝、ヨーロッパリーグがある。シティ戦と同じ姿勢なら、ベイルはまだ存在感を出せる。

 ハリー・レドナップ時代、彼は少し足首やひざを痛めたら、プレーしようと思わない選手のひとりだった。ハリーは彼を無視して『出ろ』と言っていた。モウリーニョに今必要なのは、おおよそ同じようにすることだ」

 最後にジェナスは、「シティ戦までベイルは起用されたとき、モウリーニョに何も見せなかった。一定の出場機会がなく、リズムをつくれなかったと議論できるかもしれないが、見てきた限り、本当にそのチャンスに値しなかった」と締めくくった。

「シティ戦で見たことが、遅まきながら、彼にとってトッテナムでの何かの始まりになることを願う。僕はまだ、彼には多くをやれると思うからだ。本人が強くそれを望むのならば……」

 かつての仲間から発破をかけられたベイルは、再び己の力を証明できるだろうか。

【動画】ファン大興奮!ベイルのトッテナム復帰初ゴールはこちら

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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