「悪い感情は抱けない」モウリーニョがペップとの“特別な友情”を語る「彼は、私に電話をくれたんだ」

2021年02月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

かつては熾烈な舌戦を繰り広げたふたり

モウリーニョ(右)がグアルディオラ(左)との関係に言及。(C)Getty Images

 現地時間2月13日、プレミアリーグの第24節が行なわれ、ジョゼ・モウリーニョ監督が率いる8位トッテナムは、首位マンチェスター・シティと対戦する。

 試合を前に行なわれた記者会見で、スパーズの指揮官は対峙するペップ・グアルディオラ監督との関係に言及したようだ。英スポーツ放送局『BT Sports』は、「これまでに熾烈とされたライバル関係は見た目ほど激しくなく、むしろ年を経て友情は深まり、リスペクトが芽生えている」と伝えている。

 かつてふたりは、同時期にバルサとレアル・マドリーを指揮していた折り、激しい"舌戦"を繰り広げていた。ただ、舞台がイングランドのマンチェスターに移り、ユナイテッドとシティというライバルクラブ同士を率いていた時も、両監督の間に以前ほどの"バトル"は起きていない。

 記者から監督同士の関係について問われたモウリーニョは、「立場上、簡単ではない」と答えつつ、ペップとの関係は"特別"であると認識しているようだ。

「監督同士は試合前の2分間で顔を合わせ、試合後にはさらに2分間顔を合わせる。これだけで関係を深めたり、友情を育んだりすることは誰だって難しいだろう。

 ただ、彼(ペップ)とは3年間、一緒に仕事をしていた。毎日顔を合わせ、タイトルを獲ったときには一緒に祝った。泣くことはなかったが、大切なものを失った時は一緒にがっかりした。選手としての彼と、若いアシスタントだった私は、素晴らしい時間を共有した」

 だからこそ、「彼には良い感情しか持てないし、悪い感情は抱けない」と続けたという。
 
「人生には忘れられない瞬間というものがある。そのひとつに、(2017年に)父が亡くなったときだ。彼は、父が私にとってどれだけ大切な存在か知っていた。だから、電話をくれたんだ。私も、彼の母が亡くなった時(2020年)も、同じことをした」

「人と人の間には、目には見えないものがある。他人と共有なんてしなくていいんだ。今はどんな立場であろうとも、彼には一緒に仕事をしていたときの、良い思い出しかない」

 一方のグアルディオラ監督も以前、同様の質問をぶつけられた際に「すまないね。(舌戦を)期待されているとは知っている。皆さんもそれが好きなんだろうが、今の状況は自然なものなんだ」と答えていた。

「彼とはいい関係を築いている。意見が一致することもあれば真逆なこともあるが、それは大きな問題じゃない。ユナイテッドだろうとトッテナムであろうと、彼には彼の仕事があり、私はシティで私の仕事があるからね」

 名物"舌戦"は収まったものの、フィールド上での対決が熱を失うことはない。日本時間14日2時30分にキックオフされる一戦は、モウリーニョとペップ、ふたりのカリスマ指揮官のぶつかり合いに注目が集まりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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