【J1戦力分析|アビスパ福岡編】課題克服へ的確な補強。J1でひと暴れするだけのチームが編成できた

2021年02月10日 中倉一志

登録数は28人と多くなく、今後さらに動きも

福岡の予想布陣。B・メンデスと渡を獲得したFWの戦力は、質量ともに格段にアップした。

 J1定着を目指す福岡は、「勝点50と10位以上、ルヴァン杯ベスト4以上」を目標にトップリーグでの戦いに挑む。今オフのポイントは、昨季に築いた攻守にアグレッシブなサッカーの質と強度を上げて、得点力不足を解消し、J2最少失点を誇った守備陣をJ1でも通用するレベルまで引き上げること。
 
 そのため運動量、スピード、アグレッシブさが特徴の選手を中心に新戦力を物色。攻撃陣にはJ1での実績がある選手、局面で違いを作り出せる選手を獲得し、守備陣は各ポジションに力が拮抗する選手を複数揃えるなど、課題をピンポイントで押さえる補強に成功した。高い目標に挑み、J1の舞台でひと暴れするだけのチームが編成できたと言っていい。
 
 ただ、右サイドハーフのクルークスの合流が遅れていることや、ボランチの選手層が薄いといった課題も残る。登録数は28人と多くなく、今後さらに動きがあるかもしれない。
 
■ポジション別戦力分析
FW
チーム得点王の遠野に代わってC大阪での2年間で15ゴールのB・メンデス、東家に代わって渡を獲得。質量ともに格段にアップした。

MF
昨季のメンバーが軸で、戦力はほぼ横ばいか。松本が抜けた中央に杉本、増山と福満が去った右サイドにクルークス、吉岡が加わった。

DF
グティエレスの完全復活と奈良の加入により上島の穴は埋まる。CBには宮も加わり、左SBには志知を補強。戦力は底上げされた。

GK
昨季の出来を考えるとセランテスの退団はさほど痛手ではない。絶対的な守護神は不在だが、村上、永石ら実力が拮抗した選手が揃う。

監督
戦術を徹底させる手腕に優れ、選手の特徴を引き出す能力も高い。状況を的確に見極めた采配で、J1でどこまでやれるか注目したい。

文●中倉一志(フリーライター)

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