ベルギー代表の「レジェンド完全格付け」。往年の名手シーフォを抑え、現エースが1位に輝く!

2021年02月09日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「最高到達点」を押し上げた最大の立役者がアザール

ベルギー代表のレジェンド格付けでトップ10入りを果たしたアザール(左上)、シーフォ(右上)、プロドーム(左下)、コンパニ(右下)。(C) Getty Images

【識者選定 ベルギー代表レジェンドの貢献度ランキングTOP10】
1位:エデン・アザール(FW):106試合・32得点[2008年~]
2位:エンツォ・シーフォ(MF):84試合・18得点[1984~1998年]
3位:ポール・ヴァン・ヒムスト(FW):81試合・30得点[1960~1974年]
4位:ヤン・クーレマンス(MF):96試合・23得点[1977~1991年]
5位:ロメル・ルカク(FW):89試合・57得点[2010年~]
6位:ミシェル・プロドーム(GK):58試合・0得点[1979~1994年]
7位:ジャン=マリー・プファフ(GK):64試合・0得点[1976~1987年]
8位:ケビン・デ・ブルイネ(MF):78試合・20得点[2010年~]
9位:ヴァンサン・コンパニ(DF):89試合・4得点[2004~2019年]
10位:エリック・ゲレツ(DF):86試合・2得点[1975~1991年]

 ベルギー史上最高到達点となる18年のロシア・ワールドカップ(W杯)の3位入賞に、多大な貢献を果たしたアザールがベストだ。

 攻撃の核としてチャンスメークを担いながら、ルカクに次ぐ3ゴールを挙げ、3位決定戦のイングランド戦では1-0で迎えた82分にダメ押しの2点目を突き刺す。86年大会の4位だったW杯での最高到達点を、ひとつ押し上げた最大の立役者が彼だった。

 同大会でチーム最多の4得点を挙げたルカクは、ベルギー史上最多の通算57得点を挙げている長期的な貢献度も加味して5位。18年W杯組では、黄金世代を軸に構成されたその個性派集団をまとめ上げたキャプテンのコンパニ、準々決勝ブラジル戦の鮮烈なミドルを含め、現役最高MFの呼び声に恥じない際立ったプレーを随所で披露したデ・ブルイネのトップ10入りにも、異論はないはずだ。
 2位は、34年前の4強入りをプレーメーカーとして支えたシーフォ。類稀なスキルを有したクラシックなナンバー10(86年W杯の登録背番号は8)は、20歳の若さで攻撃の全権を託され、チャンスをお膳立てするだけでなく、みずからも二度ネットを揺さぶった。

 86年W杯の躍進にシーフォとともに貢献したのが、主将のクーレマンスや守護神プファフ、右SBのゲレツだ。大柄な攻撃的MFだったクーレマンスは、主要大会に5度出場し、86年W杯ではラウンド・オブ16のソ連戦で終盤に同点弾を決めて延長戦に持ち込むなど、重要な働きを披露。プファフは当時、世界随一の評価を得ていたGKで、ゲレツはベルギー史上屈指のライトバックと評されたレジェンドだ。彼ら3人はEURO80の準優勝メンバーでもある。

 プファフ以上の輝きを放ったGKが、その偉大な先達の後を継ぎ、ベスト16進出に大きく寄与した94年W杯で大会最優秀GKにも選出されたプロドーム。宿敵オランダを破ったグループステージの活躍がとくに見事だった。

 トップ3のひとりに選出したヴァン・ヒムストは、3位に入賞したEURO72の絶対エースだ。国内で語り継がれる伝説的なストライカーは、相手から多くのファウルを受けながらも、テクニカルなドリブルやシュートで異彩を放ち、国民を熱狂させた。

文●カーン・バヤズツ(ジャーナリスト)
翻訳●井川洋一
※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年1月21日号から転載
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