鮫島彩ら代表クラスの実力者を積極補強! 女子プロリーグ新規参入の大宮アルディージャVENTUSとは?

2021年02月05日 西森彰

INAC神戸から主力3名、ベレーザから2名を獲得

大宮アルディージャVENTUSの予想布陣。昨季までのプレーエリアやバランスを考慮して作成した。INACから加入の仲田は本来SBだが、破壊力のあるフィニッシュを加味して前線に配置。

 今秋、11チームでスタートする、日本女子サッカー初めてのプロリーグ=WEリーグ。その栄えある"スターティング・イレブン"のひとつとして、サンフレッチェ広島とともに参入するのが、大宮アルディージャVENTUSだ。

 1月12日にチームの体制を発表し、同日に十文字VENTUSから6名のチーム入りを発表すると、翌13日に、INAC神戸レオネッサから、鮫島彩、仲田歩夢、スタンボー華らを完全移籍で獲得、同時に5名の新卒選手の入団をリリースした。その後も、戦力補強のニュースは続き、1月29日には、日テレ・東京ヴェルディベレーザから阪口夢穂と有吉佐織も加わった。

 オレンジの炎が、女子サッカーのストーブリーグを盛り上げている。

 母体となる大宮アルディージャは、これまで女子チームを保有していなかったが、女子サッカーと全く縁がなかったわけではない。前なでしこジャパン監督の佐々木則夫氏の出身クラブで、2016年からはトータルアドバイザー、今季は総監督のポジションに就いている。初代指揮官には、クラブで選手、指導者、フロントを歴任してきた、岡本武行監督が就任した。

 ゴールキーパーには、昨季、INAC神戸レオネッサのレギュラーを務めたスタンボーに加えて、1部でもプレー経験のある望月ありさ(←ニッパツ横浜FCシーガルズ)と、聖和学園高校時代にフィールドプレーヤーからコンバートされた伸びしろ大の今村南海(←武蔵丘短大)。同ポジションでプレーしていた指揮官の下で、それぞれ成長を目指す。

 ディフェンダーも、実績十分の面々が揃っている。中心になりそうなのが、鮫島と有吉。左サイドバックのイメージが強かった鮫島だが、近年はセンターバックでもキャリアを積んでいる。有吉も左右両サイドだけでなく、ボランチなど中央でもプレーできる。布陣図では、最終ラインのセンターに鮫島、左サイドに有吉を置いたが、チーム事情に応じて的確な仕事をしてくれるだろう。さらに、200試合出場まであと4試合の坂井優紀(←マイナビベガルタ仙台レディース)や、年代別代表で主将を務めた乗松瑠華(←浦和レッドダイヤモンズレディース)の顔も見える。

 チーム名の「VENTUS」には、昨季まで、埼玉県内の会場で多くのホームゲームを主宰していた十文字VENTUSの流れを継承する意味合いが込められている。最終ラインにも日野李保、村社汐理らVENTUS組がいる。チーム最年少の杉澤海星も(←十文字高)スカイブルーのファミリーの一員だ。また、長嶋洸(←ニッパツ横浜FCシーガルズ)、久保真理子(←東洋大)など、埼玉県下、近隣県のプレー経験者、出身者も多い。選手にとっては、土地鑑のあるエリアでの生活はメリットが多いし、地域のファンにとっても親しみやすさが醸成されるだろう。

【画像】鮫島彩、仲田歩夢、スタンボー華、阪口夢穂…大宮アルディージャVENTUSの主力プレーヤーたち

次ページ仲田歩夢は左足の破壊力を活かし前線起用も? 半年あまり激しい競争が繰り広げられる

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事