湘南新キャプテン梅崎司が語った“自己ワースト”の昨季に気づけたこととは?「サッカー人としてもったいない」

2021年02月02日 佐藤亮太

出場記録は計47分…それでも「残り1か月、チャレンジしきれた」と語ったのは…

今季は新キャプテンのひとりに就任した梅崎。チームを上位へと導けるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「昨年は正直、うまくいっていないシーズンだった。これまでのサッカーシーズンのなかでも、うまくいっていないワーストに入るシーズンだった」

 湘南ベルマーレの梅崎司は、2020シーズンを静かに振り返った。

 ワーストに入るシーズン……、振り返ればそんな年はこれまでいくつもあった。

 2007年、フランス・グルノーブルに加入した際は結果を出せず、失意のまま帰国した。浦和在籍時の09年11月、右膝前十字じん帯損傷。翌年8月、練習試合で右膝半月板損傷。16年、主力で戦いながら、ルヴァンカップ準々決勝・神戸戦ファーストレグ (8月31日)終了間際、相手選手と接触し、左膝前十字じん帯損傷。

 ほかにも幾多の浮沈を味わい、艱難辛苦に耐えた梅崎が昨季をワーストに入れたのも無理はない。

 昨年1月中旬、コンディションはだいぶ良くなったと明るい表情だったが、満身創痍。長期離脱覚悟で手術に踏み切るか、それともリハビリを続け、回復を待つか。ずいぶん悩んだそうだ。

 そんななか、6月7日にクラブから左膝内側半月板損傷・全治3か月が発表された。術後、左脚全体にギブスを装着した姿が痛々しかった。

 今季の出場はルヴァンカップ1試合。リーグ2試合。出場記録はあわせて47分。
ワーストに入るシーズンと言わざるを得ない。

 しかし、このあとの言葉に意地が感じられた。
「でも逆にこの年齢に入っていろんなことに気が付けた。僕は僕らしく勝負する、チャレンジしていくこと、突き詰めていかないとサッカー人としてもったいないと痛感した。昨シーズン残り1か月、僕のなかでチャレンジしきれた」。

 梅崎の言う「残り1か月、チャレンジしきれた」という言葉には2つの意味がある。

 ひとつが古巣との対戦となった32節アウェー・浦和戦(12月12日)だ。0-0で迎えた81分。約2か月ぶりにベンチ入りした梅崎はFW石原直樹に代わって出場。アディショナルタイムをあわせ15分弱、プレーしたが、スコアレスドローとなった。梅崎の久しぶりのプレーを一番喜んだのは浦和GK西川周作だ。

「(梅崎が)メンバーに入っていなかったのでちょくちょく連絡をとっていた。湘南戦のメンバーを見た時は嬉しかった。浦和戦に間に合わせてくれたか~と。ケガで苦しむなか、埼スタで戦うことは特別なものだろうし、ピッチで再会できてうれしかった」

 試合後だろう、西川が「おかえり」と声をかけると梅崎は「シュート、打ちたかった」と悔しがった。

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