「タケは現実が分かったはず」久保建英がヘタフェでプレーする“難しさ”をスペイン人記者が指摘!「驚いたのは…」【現地発】

2021年02月02日 ラディスラオ・ハビエル・モニーノ

ボールに触る機会が限られる中で決定的な仕事を見せていくしか

アラベス戦で3試合連続の先発した久保は79分までプレーした。 (C)Getty Images

 タケ・クボ(久保建英)がヘタフェで試合を重ねるごとに、重労働を課されるチームでプレーすることの難しさに直面している。

 21節のアラベス戦は非常にヘタフェらしい試合で、立ち上がりから拮抗した展開が続いた。両チームの選手とも監督が要求するタスクを忠実に遂行。セカンドボールを奪い合い、タクティカルファウルを連発し、攻撃では繰り返しロングボールを放り込んだ。

 お互いミスを犯さないように慎重な戦いに終始しながらプレーの精度は低く、得点が動かないまま0-0の痛み分けに終わった。前後半通して両チームが記録したファウル数、39という数字が試合内容を物語っていた。

 ヘタフェにとっては勝点3を手にすれば、降格圏から離れることができる重要な一戦だった。現在その危険ゾーンに足を踏み入れているアラベスにとってはさらに重圧のかかる試合だった。そうした負けることの許されない両チームを預かる監督が戦術で縛るほど、個性を発揮する余地は狭くなる。

【動画】久保建英が激しいマークに遭いながらも奮闘!アラベス戦のプレーをチェック
 
 タケにとってはその現実を改めて突き付けられたのがこのアラベス戦であり、ヘタフェでプレーする限り、これからもこういった試合は続いていくだろう。輝きを放つには、そのボールに触る機会が限られる中でも決定的な仕事を見せていくしかない。

 タケはこの日も、これまでと同様に右サイドでプレー。ただポジションはやや中央寄りだった。これは前節のアスレティック・ビルバオ戦で大量5失点を喫し、しかも守備の要のジェネが累積警告で出場停止だったことを鑑みて、立て直しを迫られたホセ・ボルダラス監督がシステムを5-4-1に変更したことが背景にある。

 右サイドは右ウイングバックのダミアン・スアレスが上下動を繰り返すことでカバーし、タケはインテリオール的(インサイドハーフ)なゾーンでプレーした。この3週間の間にヘタフェは4-4-2、4-2-3-1、そして5-4-1と3つのシステムを使い分けている。ボルダラス監督は守備のバランスを維持しながら、グレードアップした攻撃陣を活かす手法を模索している印象だ。その意味でも無得点に終わったこの日は結果が出たとは言い難い。

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