「クボ対策」を講じるビルバオの“標的”となった久保建英。スペイン人記者が指摘する「弱点になる危険性」

2021年01月28日 ラディスラオ・ハビエル・モニーノ

タケにとっては試金石とも言える試合だったが…

ビルバオ戦では加入後初めて低調な結果に終わった久保。(C)Getty Images

 アスレティック・ビルバオ戦でタケ・クボ(久保建英)は2試合連続スタメン出場を果たした。ビジャレアルの指揮官、ウナイ・エメリと比べると、ホセ・ボルダラス監督のタケへの信頼度が高いのは明らかで、これからも結果を残していけば、定位置を確保することは可能だろう。

 しかしこの一戦で、タケはほとんど何もさせてもらえなかった。サン・マメスで行われるビルバオ戦は、どのチーム、選手にとっても特別な試合だ。ビルバオはスペインきっての名門クラブであり、サン・マメスは独特な雰囲気に包まれる。逆に言えば、ここで活躍できればそれだけ評価を高めることになり、タケにとっては試金石とも言える試合だった。

 試合の入りは理想的と言えるものだった。タケがロングボールを頭でそらしてカットされるも、相手のフィードミスに付け込んで巧みにインターセプト。素早くハイメ・マタに対角へのパスを通すと、その折り返しをカルレス・アレニャがダイレクトでピンポイントのクロスを送り、マルク・ククレジャがヘディングで豪快に叩き込んだ。開始20秒にも満たない電光石火の一撃だった。

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 しかし、ここからヘタフェは相手のアグレッシブな守備と、いつも以上に冴えを見せるコンビネーションプレーに苦しんだ。もともとヘタフェはボールポゼッションを苦手にするチームだ。しかしその代わり、スペースを支配することで試合を優位に運ぶことを戦い方の基本にし、その精度はラ・リーガでも屈指のレベルを誇る。

 だが、得意のはずの局地戦で劣勢を強いられ、試合の主導権を相手に譲る結果となった。しかもこの日のビルバオは攻撃陣も好調で、その対応にも手を焼いた。そんななか、ヘタフェは攻撃の糸口を掴もうと、縦パスを多用した。タケも状況の打開を試みたが、パスを受けてもゴールに背を向けての状態がほとんどで、ロングボールを競り合おうとしても、上背のなさがネックになった。

 ヘタフェを率いるホセ・ボルダラス監督は試合後、「タケはプレーに絡む機会が少なかったと思う。相手の守備がソリッドで強固だったからだろう」と分析した。

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