「エジル2世」「クロイドンのデ・ブルイネ」と大絶賛! アーセナルを“救った”逸材スミス・ロウとは何者か?

2021年01月29日 田嶋コウスケ

アーセナルとアルテタ監督を救う希望の星

アーセナルのトップ下で躍動しているスミス・ロウ。クラブのまさに希望の星だ。(C)Getty Images

■Emile SMITH ROWE
エミール・スミス・ロウ(アーセナル/イングランド)
生年月日/2000年7月28日(20歳)
出身地/ロンドン(イングランド)
身長・体重/182㎝・73kg
主要ポジション/トップ下、インサイドハーフ、ウイング
A代表/未招集
ユース年代の代表歴/イングランドU-16、U-17、U-18、U-19、U-20
キャリアの転機/ハダースフィールドへの移籍


 まさに「救世主」と評せる活躍ぶりだ。

 ミケル・アルテタ監督の解任説が取り沙汰されるなか、20年12月26日に行なわれたプレミアリーグ15節のチェルシー戦でサプライズの先発出場。アシストを記録するなど躍動感溢れるプレーで3-1の勝利に導くと、16、17節でもMVP級の働きを披露した。

 それまで停滞感が漂っていたアーセナルの攻撃陣は、エミール・スミス・ロウのエネルギッシュなプレーで息を吹き返し、チームは見事に3連勝。20-21シーズンのプレミアリーグで一度も出番のなかった20歳が、アーセナルとアルテタ監督を救ったのだ。

 ロンドン南部に位置するクロイドンの出身で、フィル・フォデンやジェイドン・サンチョ、カラム・ハドソン=オドイと同じ2000年の生まれ。10歳でアーセナルの下部組織に入団したのをきっかけに、家族全員で練習場のあるロンドン北部に引っ越した。アカデミーではすぐに頭角を現わし、つねに2つ上のカテゴリーでトレーニングを積んだ。
 そんな有望株の引き抜きを過去に画策したクラブは少なくなく、とくに力を入れていたのが地元ライバルのトッテナムだった。当時のチームを率いていたマウリシオ・ポチェティーノがその才能に惚れ込み、獲得の可能性を探っていたのである。だが、スミス・ロウは愛着のあるアーセナルでのプレーを選択。17歳でプロ契約を結んだ。

 キャリアが本格的に動き始めたのは、18歳で迎えた18-19シーズンから。開幕前のプレシーズンツアーでトップチームに帯同すると、18年9月に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)のヴォルスクラ戦で途中出場し、公式戦デビューを飾る。

 このシーズンは後半戦からRBライプツィヒにレンタルの武者修行に旅立つも、加入時に発覚した鼠径部の怪我の影響で、ブンデスリーガでは3試合の出場に留まった。それでもドイツの地で異なるエッセンスを貪欲に吸収。異国での生活を経験し、精神的にも成長したという。 

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