「信じられないほどの財力があった…」元セレソン戦士オスカルはなぜ中国へ行ったのか。英紙で本人が“本音”を吐露

2021年01月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

3歳で父親を交通事故で亡くし…

今や上海上港になくてはならない存在となったオスカル。彼は一体なぜキャリアの絶頂期に中国移籍を決意したのか。 (C) Getty Images

 中国で活躍を続けている元セレソン戦士が、プレミアリーグへの復帰を口にした。上海上港に所属するオスカールだ。

 現在29歳のオスカールは、チェルシーに所属していた2016年の12月にアジアのクラブが支払った額としては、史上最高の移籍金5200万ポンド(約72億8000万円)で上海上港に電撃入団。2020年シーズンまでの約3年間で中国スーパーリーグでは91試合に出場して、29ゴール・61アシストをマークするなど絶対的な主力として君臨している。

 かつてセレソンで10番を身に纏ったオスカール。なぜ彼はキャリアの絶頂期にあった時になぜ中国移籍を決意したのか――。英紙『The Guardian』のインタビューで、こう正直に告白している。

「中国には信じられないほどの財力があり、時には選手が断ることのできないオファーを提示することもある。全てのサッカー選手、全ての働く人は、家族を助けるためにお金を稼ぎたいと思っている。とくに僕はとても貧しい社会背景を持つブラジルの出身だ。何も持っていなかったんだ。これは自分の仕事に対する報いだと思っている」

 オスカールは3歳の頃に父親を交通事故で亡くし、それ以来、母親の女手一つで2人の兄弟と共に育てられてきた。家族を養うためにプロサッカー選手を目指してきた彼にとって、週給40万ポンド(約5600万円)という高給オファーを断る理由がなかったのだ。

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 しかし、将来的に古巣チェルシーへの復帰も考えているようだ。29歳の元ブラジル代表MFは、自身のキャリアプランを公言している。

「今すぐに中国を離れることは考えていない。ここには僕にとって素晴らしいプロジェクトが用意されているからね。でも、将来的にキャリアを終わらせるためにチェルシーへ戻りたいね。あそこでは美しい物語を作ったんだ。

 僕がとても若くしてプレミアリーグに移籍した時、当時のファンたちはブラジル人選手をあまり信用していなかった。けど、僕がその考えを変えることに貢献したと思う。正直、チェルシーにもう一度移籍しようとする時の僕はちょっと歳をとっているかもしれないけれど、今だってとても良い状態でプレーができているから、チェルシーにまだ自分の居場所はあると感じているよ」

 オスカールと上海上港の現行契約は2024年11月までとなっているが、果たして、彼がスタンフォード・ブリッジに舞い戻ることはあるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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