スウェーデン代表の「レジェンド完全格付け」。“王様”イブラヒモビッチを抑えて1位に選出されたのは?

2021年01月31日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

9位はJリーグでプレーしたMF

スウェーデン代表の歴史を彩ったブロリン(左上)、イブラヒモビッチ(右上)、ヘンリク・ラーション(左下)、そして清水でのプレーしたユングベリ(右下)。(C) Getty Images

【識者選定 スウェーデン代表レジェンドの貢献度ランキングTOP10】
1位:トマス・ブロリン(FW):47試合・27得点[1990~1995年]
2位:ズラタン・イビラヒモビッチ(FW):116試合・62得点[2001~2016年]
3位:ラルフ・エドストロム(FW):40試合・15得点[1972~1980年]
4位:ボッセ・ラーション(FW):70試合・17得点[1964~1978年]
5位:ロンネ・ヘルストロム(GK):77試合・0得点[1968~1980年]
6位:ヘンリク・ラーション(FW):106試合・37得点[1993~2009年]
7位:ヨナス・テルン(MF):75試合・6得点[1987~1997年]
8位:オロフ・メルベリ(DF):117試合・8得点[2000~2012年]
9位:フレドリック・ユングベリ(MF):75試合・14得点[1998~2008年]
10位:アンデシュ・スベンソン(MF):148試合・21得点[1999~2013年] 

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 歴代最多の62ゴールを挙げたイブラヒモビッチは、EURO2004のイタリア戦で決めた空中ヒールのアクロバティック弾など数々の歓喜を国民にもたらした。実力的にはスウェーデン史上随一だろう。ただ、メジャー大会最高成績は決勝トーナメント1回戦(02年と06年のW杯、EURO04)で、個人的には2位が妥当と考える。

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 代わって1位に選んだのが、ブロリンだ。自国開催のEURO1992のイングランド戦でチームをベスト4に導く決勝点を挙げ、続く94年W杯では攻撃のフリーロールとして躍動して大会ベスト11に選ばれるなど、3位入賞の原動力となった。

 ここ一番で決定的な仕事をする勝負強さ、拳を天に掲げてクルッと回転するゴールセレブレーションなど、記憶にも残る名手だった。怪我が響いて28歳で引退を余儀なくされたことも、むしろ北欧の短い夏を連想させる。まさにスウェーデン・サッカーを象徴するレジェンドだ。

 3~5位は、メジャー大会で予選敗退を繰り返した暗黒の60年代を経て、W杯3大会連続出場とチームを復権させた70年代の名手たちだ。エドストロムは191センチのハイタワーで、さらに足下の技術も確かなCF。その魅力が凝縮された74年W杯の西ドイツ戦で決めたボレーシュートは、大会屈指のゴールとして記憶される。
 ボッセ・ラーションは複数のポジションで機能したマルチロール。当時のゲオルゲ・エリクソン監督が「選手選考ではまずラーションを選んだ」と語ったほど不可欠な存在だった。74年と78年のW杯で「大会屈指のGK」と称賛されたヘルストロムは、紛れもなくスウェーデン史上最高の守護神だ。

 6位は38歳まで代表チームに貢献したヘンリク・ラーション。W杯とEUROに3度ずつ出場し、主要大会通算9ゴールはスウェーデン歴代最多だ。7位は伝説的な94年W杯のチームで主将を務めたテルン。その類稀なキャプテンシーはもちろん、ボール奪取力とチャンスメーク力を兼備した名ボランチだ。

 8~10位は2000年代の堅守速攻サッカーを支えた主軸たち。CBメルベリは高さと統率力を利して最終ラインに君臨し、ウイングのユングベリは爆発的なスピードを武器にカウンターの起点となった。

 そして、スウェーデン史上最多の148キャップを誇るスベンソンは、トリッキーなボール扱いと広い視野を武器に司令塔として活躍。02年W杯のアルゼンチン戦で決めた直接FK弾は、今でも国民の語り草だ。

文●鈴木肇(ジャーナリスト)
※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年1月21日号から転載

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