ここ2年で「逆転勝ち」はわずか2回…マドリーの深刻な問題点を番記者が指摘【現地発】

2021年01月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

大金を投じて獲得した新戦力が不発

ジダン監督(左)が信頼を強調するアザールだが…。(C)Getty Images

 アスレティック・ビルバオとのスーペル・コパ準決勝でマドリーは反撃及ばず敗北を喫した。前半に2点のリードを許したレアル・マドリーは、後半1点を返すも、そのまま逃げ切りを許したのだ。

 逆転ができないのは、ここ最近のマドリーの傾向でもある。実際、過去2シーズンで逆転勝ちを収めたのは、2019年11月のホームのレアル・ソシエダ戦(3-1)と2020年2月のアウェーのオサスナ戦(4-1)のたった2度しかない。

 この反発力のなさは、そのまま得点力の低さに置き換えられる。今シーズンも好調を維持しチームトップの13得点を挙げているカリム・ベンゼマに続くのは、ともに4得点のカゼミーロとルカ・モドリッチの両MF。マルコ・アセンシオが復調の兆しを見せているのは好材料だが、攻撃面での迫力不足は否めない。

 たしかに昨シーズン、ラ・リーガのタイトルを奪還し、今シーズンも序盤で躓いた後、巻き返しを見せた。しかしその最大の原動力となったのは堅守(スーペル・コパのビルバオ戦前の直近9試合で3失点)であり、1試合当たりの平均得点はむしろ昨シーズンよりも低下(1.9から1.7)している。

【動画】マドリーが3部相当クラブに衝撃の敗戦! コパ・デル・レイのハイライトはこちら
 必然的に今なお指摘されているのは、クリスチアーノ・ロナウドの退団の影響と、近年、大金を投じて獲得した新戦力の不発だ。そしてその槍玉に挙げられるのがエデン・アザール、ルカ・ヨビッチ、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ、マリアーノ・ディアスといった選手たちだ。

 なかでも最大の失望は、アザールで間違いないだろう。ジネディーヌ・ジダン監督はそれでも愛情を示し優先して起用し続けているが、度重なる怪我も重なり、入団してから1年半が経過してもノーインパクトのままだ。

 そのジダンのアザールへの信頼の割を食っているのがヴィニシウスだ。プランB要員から脱出できないばかりか、ここ数試合はプレーしていてもフラストレーションやストレスを溜め込んでいる様子で、一時の勢いを失ってしまった。

 ヨビッチは1シーズン半で2ゴールという成績でフランクフルトに復帰。古巣への帰還は失地回復を図らなければならない本人、マドリー双方にとって苦渋の選択だった。

 その結果、第2FWの役割はマリアーノが務めることになるが、ここまで1ゴール止まり。そもそもマドリーとしては繰り返し戦力外を通告しているように、本音では厄介払いしたい選手だ。そんななか、ロドリゴが入団以来、8得点と気を吐いているものの、定位置奪取への決め手とはならずスタメンとベンチの間を行ったり来たり。おまけに現在は故障離脱中で、復帰は3月の予定だ。
 

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