指揮官も絶賛する能力と人間性。甲府内定の法政大DF関口正大の強みとコロナ禍中の大会への想い

2021年01月22日 安藤隆人

法政大・長山監督はプレーだけではなく人間性も絶賛

法政大をキャプテンとして牽引する関口。優勝まであとひとつだ。写真:安藤隆人

 #atarimaeni CUP準決勝第1試合、法政大vs早稲田大の関東1部リーグ同士の対決となった一戦で、試合を決めたのは法政大の右サイドバックの2発だった。

 法政大のキャプテンであり、2021シーズンからヴァンフォーレ甲府に加入するDF関口正大は、0−0で迎えた51分、右サイドでボールを持つと、中につけてから一気にペナルティエリア深くまで侵入。最後はFW佐藤大樹との鮮やかなワンツーから左足でゴールをこじ開けた。79分にもMF今泉富のパスを受けたMF長谷川元希(甲府内定)がドリブルで仕掛けると、ペナルティエリア内まで潜り込んでパスを受け、GKのポジションをよく見てゴール右上に豪快に右足シュートを突き刺した。

 守備面でも帰陣の速さと対人の強さを発揮して、早稲田大の攻撃をシャットアウト。2-0の完封勝利で決勝進出の原動力となった。

「タフな選手で責任感も強いし、自己管理も徹底している選手なので、すごく信頼して使っています」と試合後、法政大の長山一也監督が絶賛したように、関口はサイドバックとしての能力だけでなく、精神面でもチームにとって欠かせない柱になっている。

「大学に入った時点で僕はそこまでうまい選手じゃないという自覚がありました。周りにうまい選手がたくさんいる中で自分がやっていくには、誰よりも走って、献身的に守り、かつ攻撃的に仕掛け続けられるサイドバックになろうと思っていた」

 関口は県下有数の進学校でもある新潟明訓高出身で、高2の時に1学年上の中村亮太朗(甲府)とともに選手権に出場し、高3ではキャプテンを務めた。法政大では上田綺世(鹿島アントラーズ)を筆頭に長谷川、森岡陸(ジュビロ磐田内定)と言った同級生の技術レベルの高さに圧倒された。

 だが、すぐに自分の持ち味、表現の仕方を模索し、激しい上下動を繰り返しながらも、頭をフル回転させて、攻撃に有効なスペースや守備面で危険なスペースを察知して効果的なプレーを見せるサイドバックとして徐々に頭角を現わした。さらにコンディション管理や周りへの発言力など、高校時代から秀でていたオフ・ザ・ピッチの部分でも信頼を掴んでいき、今年はキャプテンを任命された。
 

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