松井大輔のベトナム初陣は度肝を抜く凄まじい賑わいに…スタジアム観戦した現地在住日本人の印象とは?

2021年01月22日 佐々木裕介

「感染症対策への意識は高い。1か月以上、市中感染者数は0が続いている」

熱気溢れるベトナムリーグ開幕戦の様子。Ⓒ Akira Ohga

 飛び込んできたLIVE映像に眼を疑った――。

 憎き新型コロナウイルスの悪業に悩まされ続けているのは、世界のフットボールシーンもご多聞に漏れず。しかし、無観客または観戦者数を制限した試合開催が当たり前なこのご時世において、凄まじい賑わいを見せているではないか。

 シーズン開幕を待ち侘びたファンで溢れかえったトンニャット競技場。ベトナム1部リーグ開幕戦、サイゴンFC対ホアン・アイン・ザライFC(以下、HAGL)での話だ。

 日本航空、エネオス、JTB、佐川急便、ニチバン……多くの日本企業の広告バナーも目立ったその会場で、試合を観戦したという日本人ファンの情報をキャッチし、話を聞いた。ホーチミン在住歴2年になるという大賀照さん(46歳)だ。
 
――◆――◆――

――試合の話の前に聞かせてください。世界を騒がす新型コロナウイルス被害、ベトナムではどんな状況なのでしょうか?

「ベトナムは初動が早かったんです。第1波、第2波(昨夏/ピーク時期)、第3波(昨冬)とありましたが、日本と比べればどれも雀の涙ほどで。ベトナムから日本へ帰国した人の中から2日に1名くらいは陽性反応が出ているオチもあるのですが(苦笑)。ただベトナム人は普段からマスクをつけることに抵抗が無く、2003年のSARS騒動で痛い想いをした経験もあるので、感染症対策への意識は高いとは思います。現在は1か月以上続けて市中感染者数0が続いていて生活には影響ありません」

――なるほど。その環境下だからこそ規制なき試合開催が可能なんですね。LIVE映像から伝わってきたスタジアムの雰囲気には度肝を抜かされました。会場へ足を運んだ動機をお聞かせいただけますか?

「決してサイゴンFCのファンだった訳ではないです。正直、松井大輔を観に行ったというのが本音です。チケットは事前に購入しようとしたのですが、一般販売の詳細がいまいち分からず、当日早めにスタジアムへ行って購入しました。チケットの購入方法は、ベトナム人にも分かりづらかったみたいですよ。不満もあったようで、チーム公式SNSへのファンの書き込みに『なんでネット販売しないんだ!』『まだ原始的な窓口販売しかやらないのか?!』なんていう怒声も多かったですから」

――多くの日系企業の広告バナーも気になりました。

「そうですね、『会社から招待券をもらって来れた~』なんていう友人家族もいましたし。私はメインスタンドから観戦したのですが、周りには多くの日本人グループの姿も。在留邦人の間では注目の試合だったことは間違いありません。」
 

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