「本当にスキャンダルだ!」ロックダウン中のオランダで美容師組合がサッカー選手のヘアカットに怒り「許せない…」

2021年01月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

SNSの投稿がキッカケで“炎上”

独特なヘアスタイルをしているアヤックスの守護神オナナ。だが、その調整が問題視されている。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスの影響が深刻化しているヨーロッパでは、今も一部地域でロックダウン政策が取られ、通常の生活が送れない日々が続いている。

 そうした中で、特例的に活動が許されているサッカー選手たちが問題視されている。現地時間1月19日、全国紙『Algemeen Dagblad』をはじめとする複数のオランダ・メディアは、ロックダウン中にアヤックスの選手たちが美容院でヘアカットをしたとして"炎上騒ぎ"となっていると報じた。

 同紙によれば、批判の矛先が向けられているのは、アヤックスのクインシー・プロメス、アンドレ・オナナ、ザカリア・ラブヤドだ。彼らはいずれも自身のSNSで美容室に行ったことを明るみにしなかったものの、担当した美容師がその様子をインスタグラムに投稿したために、大きなバッシングを受けることになった。

 現在オランダは、2月9日までロックダウンの延長が決定するなど、感染拡大防止のために国家的に取り組んでいる真っ只中になる。そのため、美術館、劇場、遊園地、動物園、カジノ、サウナ、屋内スポーツ施設、カフェ、レストランなども閉鎖を余儀なくされている。

 美容室も例外ではなく営業の閉鎖を求められているため、アヤックスのスター選手たちとその髪を切った美容師の行動はルールに違反するのだ。

 当然、周囲からは不満の声が上がっている。『Algemeen Dagblad』は、「アヤックス選手たちだけではない。フェイエノールトやPSVなどのクラブの選手たちも髪型は変わっている。オランダが厳格なロックダウンに苦しめられているのに、彼らはそれを無視している」と報じ、美容師協会「ANKO」の声明を伝えた。

「サッカー選手たち自身に責任を負わせるべきだ。国民全員に適用されている規則を彼らにも守らせてほしい。今、やっているその行為が社会的ルールに反していることだと彼らは理解しているのだろうか。そうすることで初めて我々はこの危機を抜け出すことができる」
 さらに「ANKO」の代表責任者であるゴニー・エウセン氏は、「抜け駆け的にサッカー選手の髪の毛を切っている美容師たちは許せない」と持論を口にしている。

「コロナ禍で髪の毛を細部まで調整しているサッカー選手は多い。あのクリスチアーノ・ロナウドもそうだ。彼は毎週のように整えている。だから彼らも『周りだってやっている』と言いたいのかもしれない。しかし、私は『世界で何が起きているかを見ろ』と言いたいね。

 とくにこの国では、美容室は事業の閉鎖を強いられている。家賃を支払わなければならないのに稼ぎもないんだ。そのルールを守っている美容師たちは、不法にヘアカットを行なっている一部の美容師と世間にバレないように髪の毛を切っている一部のサッカー選手や芸能人の犠牲者だよ。本当にスキャンダルだよ」

 たしかに身なりを整えることもスター選手には求められるのかもしれないが、ロックダウン中にルール違反を犯してまですべき行為では断じてないだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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