【強豪校レポート】履正社|爆発的な攻撃力でJユースを脅かす存在に

2015年04月10日 森田将義

平野監督「型にはめずに個性を活かしたサッカーをしたい」

1922年に大阪福島商業学校として創設された私立校。83年より履正社高校となる。13・14年と選手権8強入りを果たしたサッカー部は、今季プレミアリーグWESTで戦う。

 ここ2年連続で選手権8強入りを果たし、今季は4月11日開幕の高円宮杯U-18プレミアリーグWESTにも初参戦。平野直樹監督に率いられた履正社は、近年輝きを放ち始めた注目の存在だ。ニューカマーとはいえ、プレミアWESTでも上位を窺う大阪の強豪校の現状と注目ポイントを、指揮官へのショートインタビューと今季のキーマンから紐解く。
 
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■平野直樹監督インタビュー
 
――まずは今年の目標を教えてください。
 
「選手権には今年も出たいですね。2年連続で選手権のベスト8で敗れているので、そこが『壁』と言われるがちですが、原因は明確にあるので越えられる目標だと考えています。嬉しいことなのですが、昨季はメディアなどで取り上げられる機会が増え、浮き足立ったり、過信したりする選手が見られました。
 
 また、プレミアリーグ昇格を決めた選手権直前からは、チームとしても優勝候補として取り上げられる機会が多くなり、これまで以上に選手たちが自分を見失ってしまった結果、チームとして噛み合っていた歯車が狂ってしまった。目指すサッカーができていればという思いが強く残ったので、今季は周囲の声に流されないためにも、より人間的に成長してくれることを望んでいます」
 
――どのようなサッカーを志向し、どんな指針で練習に臨んでいるのでしょうか?
 
「効率的かつ効果的なサッカーを目指しています。そのためにはどうボールを奪い、どうゴールを奪うかが大事で、そのためにいまなにをすべきかなのか、各々が正しい判断をしなければなりません。ドリブルとパスのどちらが効果的なのかは状況によって違いますし、選手の特徴によっても違う。『パスサッカーですよ』と型にハメるのではなく、それぞれの個性を活かしたサッカーをしたいので、毎日の練習から意識するようにしています」
 
――今年のチームは、どんな特徴を持っていますか?
 
「FWの牧野寛太など攻撃陣は昨季から変わらないので、ボール支配という面では手応えはあります。彼らが個人としてさらにひと回り、ふた回り大きくなってくれればより面白くなる。ただ、守備陣はDF小川明、GK安川魁らが卒業し、メンバーが新しくなりました。不安はありますが、ジャパンユースやプレミアリーグなどで真剣勝負を続けていけば良くなると思っています」
 
――チームへの期待とともに、今季への意気込みをお願いします。
 
「今年はタレントも多い年だと思うので、期待感はあります。経験値で言えば、日本一に近い位置にいると思いますし、Jのアカデミーとも互角にやれる手応えもあります。プレミアリーグは初参戦ですが、上位のチームを脅かす存在になりたいですね」

次ページアジリティ強化で急成長を遂げた履正社のキーマン。

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