【選手権展望】山梨学院vs帝京長岡|優勝に王手をかけるのは”打たせない守備”か? “息の合った攻撃”か?<準決勝 第1試合>

2021年01月08日 森田将義

山梨学院の鉄壁の守備に注目!

2009年度以来の優勝を狙う山梨学院(左)と、初の全国制覇を目指す帝京長岡(右)が準決勝で激突する。写真:浦正弘/写真:田中研治

選手権準決勝・第1試合
山梨学院(山梨)vs 帝京長岡(新潟)
1月9日(土)/12:05/埼玉スタジアム2002

 山梨学院(山梨)が初出場初優勝を果たした2009年度以来のファイナル進出を果たすのか、昨年度はベスト4で涙を飲んだ帝京長岡(新潟)が悲願の全国制覇に近づくのか。準決勝・第1試合は、どちらが勝つのか分からない接戦が予想される。

 初戦の米子北(鳥取)を筆頭に実力派のチームを破って勝ち上がってきた山梨学院は、いずれもロースコアの展開を制してここまで勝ち上がってきた。許した失点は、PK戦までもつれた3回戦の藤枝明誠(静岡)のみという鉄壁の守備を支えるのは、主将のGK熊倉匠(3年)だ。「自分がゴールを決められなかったら負けることはない」と口にする守護神は、落ち着いたセービングで決定機をことごとくストップ。CB一瀬大寿(3年)らに的確なコーチングを行ない、"シュートを打たせない"対応にも優れているのは心強い。
 
 また、相手に応じたゲーム運びを完璧に進められるのも今年の強みだ。印象的だったのは、鹿島学園(茨城)と対戦した2回戦の試合運び。初戦に負った怪我により、181センチのCB板倉健太(3年)が欠場したため、平均178.5センチと高身長の選手を揃えた鹿島学園に真っ向勝負でセットプレーを挑まれたら、分が悪い。身長差のハンデを補うため、競り合う際のポジショニングなど細部にまでこだわって守備の準備を進めていた。

 準々決勝の昌平(埼玉)戦では、相手の持ち味である素早いパスワークを分断するため、前線からのアグレッシブなチェイシングでパスコースを制限。乱れたボールをMF谷口航大(2年)と石川隼大(2年)のダブルボランチが、きっちり回収して攻撃に繋げた。相手のストロングポイントを消すために、選手全員が与えられた役割を忠実にこなせるのは見事で、長谷川大監督は2回戦を終えた後に「それぞれが持つ色と役割をタイミングよく発揮させたい」と口にしている。
 

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