【ルヴァンカップ決勝】FC東京の堅守に天晴れ。“真っ向勝負した”J1クラブで唯一、柏のオルンガを完封!

2021年01月04日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

オルンガをシャットアウトできた最大の要因は…

J・オマリ(左)と渡辺(右)。FC東京のCBコンビは素晴らしかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[ルヴァンカップ決勝]柏 1-2 FC東京/1月4日/国立競技場

 昨季よりもリーグ戦で失点数が増えたが、それでもFC東京の堅守は称えられる。リーグMVPとJ1得点王を受賞した柏のオルンガを完封したからだ。しかもリーグ戦のホーム&アウェーとルヴァンカップ決勝、合計270分間で抑えたのだから、なお素晴らしい。

 ちなみに今シーズン、オルンガがゴールを決めていないJ1の対戦相手は清水、大分、FC東京の3クラブ。ただ、そもそも清水戦にはホーム&アウェーともに欠場し、大分戦は敵地ではフル出場したものの、本拠地では5分しか出場していないため、無得点に終わったエクスキューズはある。

 つまり、連戦による温存の影響を受けずに"真っ向勝負できた"J1クラブのなかでは、FC東京が唯一、オルンガをシャットアウトできたのだ。最大の要因は、CBコンビのチャレンジ&カバーの徹底だろう。

 ルヴァンカップ決勝では、渡辺剛とジョアン・オマリがCBでコンビを組んだ。どちらかがオルンガにタックルでボールを奪いにかかれば、すかさずもう一方がカバーに入る。ひとりでは太刀打ちするのが難しい怪物FWを、コンビネーションで抑え込んだのだ。

 加えて、この日はアンカーでプレーした森重真人が最終ラインをサポート。パスの供給源である江坂任をマークしつつ、前線のパスコースを消し、出色のパフォーマンスを披露した。渡辺とCBコンビを組んだ試合でも守備力は素晴らしかったが、中盤でも同様のディフェンス能力を見せつけたのだ。

 ちなみに、このチャレンジ&カバーの意識は、CBの間のみならず、SBとCB、中盤のトライアングルなど、ピッチ上のあらゆるエリアで徹底されていた。実際、相手の瀬川祐輔も「スペースを埋められていた」と述べている。

 選手の能力もさることながら、堅守構築の要因は長谷川健太監督の手腕が大きいだろう。記者席から見ても最終ライン、中盤、前線の3ラインは常に整っていて、穴はほぼなかった。

 堅守だけでなく、得点を決めたレアンドロやアダイウトンなど、前線には強力なアタッカーもいる。攻守に盤石なFC東京は、勝つべくして勝った、チャンピオンに相応しいチームだった。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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