「魂を感じる守備だった」山梨学院が指揮官も絶賛する堅牢ぶりで16強入り! 2戦連続の“ウノゼロ”勝ち【選手権】

2021年01月02日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

「チーム全体に隙がなかった」

山梨学院の一瀬が激しいタックルで鹿島学園のエゼトベチクの突破を阻む。写真:浦 正弘

[高校選手権2回戦]山梨学院1-0鹿島学園/1月2日(土)/NACK

 1点を争う熾烈な戦いを制したのは、指揮官も絶賛する堅牢な守備を見せた山梨学院だった。

 山梨学院はセンターバックの板倉健太(3年)が1回戦の米子北戦での負傷が癒えず戦列を離脱。長谷川大監督が「相手のCFやCBにヘディングの強い選手が多かったので、空中戦の勝負がポイントになると思っていた」というなかで、長身DFの板倉の欠場は痛恨だったに違いない。

 しかし、そんな不安がつきまとうなか、山梨学院はキャプテンのGK熊倉匠(3年)を中心に堅い守りを見せる。「チーム全体に隙がなかった」と守護神が胸を張るように、前半は鹿島学園にチャンスらしいチャンスを作らせず無得点に抑える。

 これに攻撃陣も応える。後半13分、右サイドから相手を押し込んだ青のユニホームは、ラストパスを受けた左サイドのMF廣澤灯喜(3年)が右足を一閃。相手DFのブロックに遭いながらも執念でねじ込んだ。

「よく身体を張ってゴール前のピンチを凌いでくれた。魂を感じるような守備だった」

 長谷川監督がそう賛辞を送るほどに、山梨学院の守備は、終盤にかけて勢いを増した鹿島学園の猛攻に晒されながらも耐え凌いだ。鹿島学園のキャプテン遠藤聖矢(3年)も「チャンスはあったが、GKの熊倉君を筆頭にディフェンスに軸が何人もいて、身体を張ってでも止めるという守備は凄かった。決めきれなかった」と、敵の堅固な守備を素直に讃えた。

 1回戦に続く"ウノゼロ"勝ち。「難しい展開だったが、貪欲に勝ちを狙いに行った結果が勝利につながったと思う」とキャプテンの熊倉は胸を張る。3回戦は「練習試合もよくやるので、お互いを分かっている」(長谷川監督)という藤枝明誠との対戦。静岡の強豪を相手に再び堅守が輝きを増すのか注目だ。

取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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