東福岡の窮地を救った“百発百中男”! 後半37分の投入から挙げた劇的決勝点に「モッてるほうです」【選手権】

2021年01月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

途中出場の岩井から、途中出場の竹内へ

森重監督のスーパーサブ起用に見事応えた竹内。チーム総出で手荒い祝福を受けた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権2回戦]東福岡 2-1 作陽/1月2日(土)/等々力

 死闘にピリオドを打ったのは、"赤い彗星"のラッキーボーイだ。

 1月2日に等々力陸上競技場で行なわれた高校選手権・2回戦、東福岡(福岡)と作陽(岡山)の一戦は、終盤まで1-1の拮抗した状況が続く好勝負となった。

 PK戦突入が現実味を帯びていた後半35分、ビッグチャンスを掴んだのが作陽だ。東福岡の猛攻を耐え凌ぐ時間帯が長く続いたのち、ワンチャンスに賭けた左サイドのカウンターからMF中島理慶(3年)が敵のファウルを誘発。願ってもないPKを得たのだが──。狙い済ました中島のショットはポストに嫌われ、勝ち越し点を挙げることはできなかった。

 その直後だ。東福岡の森重潤也監督はベンチから右SBの竹内良を呼び、スクランブル出場させる。指揮官は「スピードのある選手だったので、守るところもそうですが、チャンスがあれば攻撃にも参加しなさいと伝えました」と狙いを明かす。一方の竹内自身は「アップはさほどしてなかったんですが、呼ばれたのでビックリしました」と正直に吐露し、「相手がPKを外した直後で、残り少ない時間。自分になにができるかをよく考えました」と振り返る。

 そして迎えた後半アディショナルタイム3分。181㌢の守備者が大仕事をやってのけるのだ。

 左サイド手前で得たFKはいったん作陽守備陣に跳ね返されるが、そのクリアボールを拾ったMF遠藤貴成(3年)がふたたび折り返し、MF岩井琢朗(3年)が頭でふわりとゴール前に浮かせる。これに呼応した竹内は、相手GKの位置を見極めてループ気味のヘディングシュートを放つ。見事な弧を描いた球が作陽ゴールに吸い込まれ、東福岡イレブンが夕焼けの空に咆哮を轟かせた。

 九死に一生を得て掴んだ、ラストプレーでの劇的弾。リモート会見場に現われた殊勲のヒーロー・竹内は興奮冷めやらぬ様子で、次のように話した。

「あの時間帯で、自分がゴールを決められて良かった。僕はけっこうモッてるほうだと思います。日々の練習でもセットプレーとかは百発百中で入るので、今日もそれを意識して試合に入って、決めることができました」

【選手権PHOTO】2回戦|東福岡 2-1 作陽|死力を尽くした名門対決は劇的な幕切れで決着!"赤い彗星"が鮮やかな逆転勝ちを収める!

次ページ「自分のストロングポイントをずっと磨いてきた」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事