1得点・2アシストの大活躍。丸岡の10番・川中が大手前高松戦で示したセットプレーの重要性【選手権】

2021年01月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

川中はFKとCKから計2アシスト。後半にはPKでゴールも

1得点・2アシストと大活躍した川中。キックの精度はピカイチだった。写真:早草紀子

[高校選手権2回戦]丸岡4-1大手前高松/1月2日(土)/西が丘

 ルーテル学院に苦戦した1回戦と打って変わり、丸岡が前半からアグレッシブなサッカーを展開。立ち上がりこそ大手前高松のロングフィードとロングスロー主体の攻撃に受け身の姿勢になるが、9分に新堀のゴールで先制すると一気にギアを上げた。そして、16分には敵陣でのFK(キッカーは川中)から東出がヘッドで押し込んだゴールで早々と2-0としたのだ。

 この日の丸岡は前半途中からチームとして連動していた。DF飯田が軸の3バックは根気よくボールを跳ね返し、その前で川中と小谷のボランチコンビが中盤の競り合いで良い仕事をする。そして、両ウイングバックの柳谷や岡田がサイドを切り崩すと、前線の3枚──河上、中村、新堀が果敢にフィニッシュに持ち込む。ドリブルやパスの精度はさて置き、プレーの一つひとつに意図が感じられた。

 27分、31分の決定機をモノにできなかったあたりは反省材料だろう。それでも前半終了間際に川中のCKから河上がヘッドで追加点。後半にも川中のPKで加点した試合運びは、1失点したとはいえ上々だった評価できる。
 
 丸岡が快勝した試合はまたセットプレーの重要性を示すゲームでもあった。特筆すべきは、丸岡の川中のキック精度。1回戦のルーテル学院戦で直接FKから決勝弾を蹴り込んだこの10番は大手前高松戦でも2アシストをマーク。ピンポイントで味方に届けたパスはいずれも見事のひと言だった。

 「セットプレーを与えたら10番がいる」、そんなプレッシャーを相手に感じさせていたとしたら、それだけで川中の存在価値はあった。少なくとも、彼のような優秀なキッカーがいればチームは助かると、そんな印象を残した試合だった。

 当の川中も試合後、プレースキックについて次のように語っていた。

「狙い通りに蹴れて、味方もいい位置に入ってきてくれました。(キックの)調子は良いです。(自分が狙った)ターゲットによって、カーブだったり、ライナーだったりを蹴り分けています」

 1回戦から守備もまずまず安定しており、波に乗りつつある丸岡。3回戦を勝ち抜くうえでも、川中のセットプレーが大きな鍵を握るはずだ。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

【高校サッカー選手権1回戦PHOTO】丸岡1-0ルーテル学院|川中浩夢の狙いすましたFKで丸岡がルーテル学院を振り切って2回戦へ
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