代役とは言わせない! ゴールセンス溢れる2発を決めた東福岡の“20番星”。「日本一になるためにヒガシに来た」【選手権】

2021年01月01日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

欠場中の盟友がくれたアドバイスを胸に

圧巻の2ゴールで東福岡を勝利に導いた日高(20番)。献身的な守備でも多大な貢献を果たした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権1回戦]東福岡 2-0 桐蔭学園/12月31日(木)/等々力

 鮮烈の2ゴールで、一気にゲームの趨勢を定めた。

【動画】東福岡の日高が桐蔭学園戦で決めた、技ありのファインゴールはこちら!

 大晦日に等々力陸上競技場で行なわれた1回戦屈指の好カード、東福岡(福岡)vs桐蔭学園(神奈川)の一戦は、前者が前半の勝負所で畳みかけて2-0の快勝を収めた。その全得点を叩き出したのがレフティーFW、日高駿佑(3年)だ。

 均衡を破るファインゴールが生まれたのは前半35分。桐蔭学園怒涛の攻勢をなんとか切り抜けた東福岡は、左サイドを起点に高速カウンターを繰り出す。MF青木俊輔(3年)がタイミング良く供給した低い弾道のクロスに、全力疾走で呼応したのが日高だ。左足で絶妙の位置にトラップすると、「GKが出てくるのが見えていたし、良いボールが来たので落ち着いて撃つだけでした」と冷静にゴールに流し込む。

 さらに7分後の前半40+2分、技巧を披露した1点目とは打って変わり、今度はパワフルな一撃でスタンドを沸かせる。左SB本田良輔(3年)のクサビを敵エリア内でしっかり懐に収めると、鋭いターンで左へ持ち出してすぐさま左足を振り抜いた。GKの逆を衝き、見事ファーに蹴り込んだ。

 抜群のゴールセンスを披露した日高を、森重潤也監督も手放しで称える。「あの場面で決め切ってくれた。大きかったですね。いつも献身的で、いかなる状況に置かれても自分のプレーをブラすことがないんです」と背番号20を評した。日高は「強いシュートが自分の持ち味。練習でも思い切り撃つことを意識しています。勝利に貢献できて良かった」と話して、少しだけ笑みを浮かべる。

 東福岡の前線に君臨してきたエース格が、同じ3年生の長野星輝だ。伝統的なCFのポジションでともに切磋琢磨してきた間柄で、新人戦以降は日高もスタメンを飾るゲームがグッと増えた。そんな誰よりも身近なライバルは、県予選の準決勝で怪我を負ってしまう。今大会は30人の登録メンバーにこそ名を連ねているが、桐蔭学園戦はベンチ外。実戦復帰も見通しは不透明なままだ。

 日高はそんな長野の想いも乗せて、ピッチで躍動した。「練習中から駆け引きのところとかでアドバイスをくれるんです。今日はそれを参考にしてやったら良い感じで決められました」と感謝を口にする。

「目標にしているのは(セルヒオ・)アグエロ選手です。日本一になるために東福岡に来たし、選手権の舞台はずっと夢でした。伝統を引き継げられるように頑張りたいです」

 どこまでも謙虚なストライカーだが、ピッチ上では誰よりも雄弁に貪欲にゴールを追い求める。チームの躍進とともに、初めての選手権でどれだけ得点を上積みできるか。

 一躍、ヒーロー候補に名乗りを上げた。

取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

【高校選手権PHOTO】1回戦|東福岡 2-0 桐蔭学園|FW日高が電光石火の2ゴール! 強豪対決を制した東福岡が初戦突破!

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