ラ・リーガで唯一10番不在のバレンシア。クラブ首脳は“韓国の至宝”イ・ガンインに継承させようとしたが…

2020年12月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ピーター・リムオーナーのお気に入りでもあるイ・ガンインに…

イ・ガンイン(左)が20番、C・ソレール(右)が8番を選んだことで10番が不在に。(C)Getty Images

 ダニエル・パレホが2020年夏にビジャレアルに移籍して以来、空番となっているバレンシアの10番だが、スペイン紙『エル・パイス』によると、この「10番不在」の事態に至るまで、いかにもこのクラブらしいひと悶着があったようだ。

 アニル・マーシー会長が当初抱いていた構想が、ピーター・リムオーナーのお気に入りでもあるイ・ガンインに10番を継承させ、チームの顔としてのイメージを内外に植え付けることだった。

 しかしこの決断に、第一キャプテンのホセ・ルイス・ガヤと第二キャプテンのハウメ・ドメネクが激しく反発。こうしたケースでは在籍期間の長い選手が優先的に選択するのが慣例であり、ふたりの頭の中には、パレホに代わって司令塔に君臨することが期待されているカルロス・ソレールのことがあった。
 
 結局、イ・ガンインは、ソレールに遠慮して16番からマンチェスター・シティに移籍したフェラン・トーレスが着けていた20番に変更。クラブに対して少なからず嫌気が差した部分もあっただろうソレールは、そのまま8番に据え置きとなり、その結果バレンシアは、ラ・リーガで唯一10番が空位のチームとなったのだ。

 リム政権下のバレンシアは、こうしたサッカー界の不文律を理解しようとせずに、現場の監督や選手、ファン、メディアに至るまで、周囲の人間の反発を買ったケースは枚挙に暇がないが、この10番騒動もまたその一例と言える。

【動画】信じ難い蛮行!イ・ガンインが見舞った衝撃の3回キックはこちら

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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