【選手権展望】全チームが”打倒・青森山田”を掲げる! J内定選手4人の昌平、リベンジ誓う履正社 などが虎視眈々

2020年12月25日 森田将義

Bブロックの有力候補は6年ぶり出場の…

4人のJ内定選手を揃える昌平。守備の強度アップ次第では頂点に立つ可能性も。(C)SOCCER DIGEST

 いよいよ第99回全国高校サッカー選手権が12月31日から開幕する。2020年は新型コロナウイルスの影響で、初めてインターハイが中止となり、高円宮杯などの各リーグ戦も延期や規模縮小が余儀なくされた。そんな困難を乗り越え、各地域予選を勝ち上がった48の代表校が今年もしのぎを削る。

 本稿では、今大会のトーナメント表を4つに分け、各ブロックの優勝候補や注目選手、活動が制限されるなかでも準備を進めるチームの仕上がりなどを紹介。全高校プレーヤーが憧れる大舞台で、99代チャンピオンに輝くのは――。サッカーライターの森田将義氏に今大会を占ってもらった。

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【Aブロック】
 本命は、J1鹿島内定のMF須藤直輝を筆頭に4人のJ内定選手を揃える昌平だ。MF小川優介(鹿島内定)、柴圭汰(福島内定)を中心としたパスワークから個の特徴を活かすチームで、今年は新潟内定のFW小見洋太やU-18日本代表候補の左SB小澤亮汰など、攻撃にアクセントを加えられる選手がいるのが強み。守備の強度アップ次第では、頂点まで駆け上がるだけの力を持つ。

 ただ、このブロックには、簡単に勝たせてくれないチームが揃う。2回戦で対戦しそうな京都橘には、FW西野太陽(徳島内定)と2年生ながらプロ注目のFW木原励がいる。夏に行なった練習試合では、3-0で昌平が勝利しているが、京都橘は"今大会屈指"との呼び声が高い2トップを活用し、リベンジの準備を進めている。

 ほかにも、GK熊倉匠とCB一瀬大寿を中心に堅い守りから、選手層の厚みを活かした多彩な攻撃を仕掛ける山梨学院、主将のMF林莞太を中心に徹底して闘う姿勢を見せ続ける米子北など一癖も二癖もあるチームが揃う。

【Bブロック】
 6年ぶりの選手権出場を果たした履正社が有力候補だ。主将のMF赤井瞭太と平岡大陽(湘南内定)を中心に90分間通してハードワークを続けられるのが特徴。選手間競争も激しく、相手の特徴や試合展開に合わせて入れ替わる攻撃陣が活躍できるのも売りだ。

 なかでも、奪ってから素早く繰り出す縦に速い攻撃は、相手の時間が増える全国大会の方が切れ味を増す。夏のフェスティバルの決勝で2度敗れた青森山田にリベンジするのが描くシナリオだが、赤井は「一番はそこを目指しているが、どの相手も力がある相手。初戦の帝京長岡を筆頭に1試合1試合、目の前の相手を倒すのが目標」と口にする。

 赤井の言葉通り、このブロックも実力校が多く簡単には勝ち上がれない。今治内定のMF松井治輝を擁する神戸弘陵や、FW笠井佳祐に注目の関東一も侮れないチームだ。"堅守のイチフナ"を体現する主将のDF石田侑資が中心の市立船橋も急ピッチでコンディションを整えることができれば、上位に顔を出してくるだろう。
 

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