「憲剛さんになることは出来ない」ベストイレブン受賞、田中碧が示す強い決意「もっと圧倒的な選手に…」

2020年12月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

目指すは東京五輪ではなく…

ベストイレブンを初受賞した田中。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2020シーズンのJリーグの表彰を行なうJリーグアウォーズが12月22日、オンライン上で開催され、今季のベストイレブンを発表した。川崎フロンターレの田中碧は同賞を初受賞し、同日行なわれたオンライン会見で喜びの声を伝えている。

 田中は下部組織出身でプロ4年目の22歳。昨季24試合に出場し一気にブレークすると、年末のE-1選手権ではA代表デビュー。Jリーグのベストヤングプレーヤーにも選出された。勢いそのままに、今季はいずれもキャリアハイとなる31試合出場で5ゴールをマーク。チームの覇権奪回に大きく貢献した。

 成長著しい若武者は、受賞に際し「同じJリーグでともにプレーしている選手、監督の方々に評価してもらえたことがすごい嬉しい。1年間通してやってきて良かった」とコメント。票を投じてくれた人たちに感謝の言葉を伝えるとともに、1年間の確かな手応えを口にした。

 また、来夏の東京五輪に向けての質問が飛ぶと、「まずは自チームで試合に出ることが一番のアピール」と話すに留め、強い想いが溢れたのはA代表に対してだ。「同じ世代でA代表で戦っている選手たちがいるなかで、やっぱり一番目指しているところはA代表。そういう意味では、そこを戦っている選手との差がたくさんあるのは感じている。本当に1日1日成長し続けて、もっともっと上に行けるように頑張らないといけない」と語り、同い年の堂安律や冨安健洋らへの"ライバル心"のようなものを隠さなかった。
 
 そして会見終盤では今季限りで引退するチームのレジェンド、中村憲剛にも言及。"ポスト憲剛"といった見方もあるなかで、田中は「僕自身が憲剛さんになることは出来ない」ときっぱり。そのうえで「ただやっぱり一緒にサッカーをすることで、憲剛さんの素晴らしさを自分自身も体感することができたし、そういうものを自分自身が吸収して、今ある自分に憲剛さんの特徴をプラスアルファしていければより大きな成長になる。やっぱり憧れではあるが、超えたい存在ではある。自分の力でもう一段階、二段階レベルアップして、超えていかないといけない存在」と力を込め、"憲剛超え"を誓った。

 新人王、ベストイレブンと少しずつ階段を昇っている田中だが、「もっと圧倒的な選手にならないといけない」と本人が話すように、彼の成長物語はまだまだ序章に過ぎない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】ベストイレブン初受賞!田中碧の2020好プレー集はこちら!

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